足立朝日

足立区温暖化防止キャラクター・ミリーたちをデザイン 川又 みどりさん(54歳)

掲載:2010年10月5日号
梅田7丁目在住

子どもに愛されるキャラクターを作りたい

 足立区で最も有名な兄弟といえば、この3人(匹)。丸く愛らしい体格と純真な目で温暖化防止を呼びかける恐竜の子ども、ミリー、ドリー、リリー。彼らの生みの親を知る人は意外に少ない。
 「シンプルで親しみが持てるよう心がけた」。始めて採用されたキャラクターは、川又さんの願い通り、今や子どもたちに大人気。「使われるのは1回だけだと思っていた」との本人の予想を遥かに超え、3Rキャラから温暖化防止キャラに成長、弟のドリーと妹のリリーも加わった。
 弟妹の名前は公募で決まったが、2つを合わせると「ミドリ」。この幸せな偶然は、ミリーが足立区民に愛されている証かもしれない。
 「絵を描くのが好きなんですよ」。度々出るその言葉には、必ず最高の笑顔がつく。あたたかくてパワーに満ちた「好き」が、全身から伝わる。
 生まれは浅草で、梅島第一小、第十中を卒業。「子どもの頃、お菓子買うか紙買うか、で紙を買っていた。絵を描いていると没頭できる」
 OL時代はポツポツとイラストの仕事をしていたが、結婚後疎遠に。弘道第一小で読み聞かせのボランティアをしていた時、仲間から勧められて一念発起。今では大好きな子ども向けの本などさまざまな仕事をこなす。
 区内全戸に配られたごみ収集表のイラストも川又さん作。マップ「歩こうあだち」では、資料写真を撮りに地域を歩き、自分の知らなかった足立区の良さを発見した。
 生き物がとにかく好きという。動物、昆虫、植物。もちろん恐竜も。
 「何が人間にとって良いか良くないか、生き物を飼っているとわかる。環境が悪くなるとすぐ死んでしまう。植物も同じ」
 その生き物にとって大切な環境を守るために、ミリーたちが活躍する。
「イベントがあると、つい見に行ってしまう。いつまでも、我が子から離れられなくて」と笑う。集まった子どもたちから、エコのアイデアをもらうことも楽しみという。
 ミリーあるところに川又さん。お日様のような明るい笑顔が、子どもに愛されるキャラクター作りの秘訣かもしれない。

写真=自らデザインしたミリーの着ぐるみと=北千住駅西口で