足立朝日

ラジコン・アマチュア全国大会で 史上最年少優勝!入谷南中3年・鈴木悠平くん

掲載:2010年10月20日号
 小型の飛行機を、手元の送信機で自在に操るラジコン。そのアマチュアの全国大会で、足立区の中学生が史上最年少で優勝した。
 入谷南中学校(木村正校長)3年の鈴木悠平くん。祖父、父と続く親子3代のラジコン選手だ。


 ラジコンというと、子ども向けの小さいおもちゃの飛行機を想像するが、機体の全長は2m。それでいて、重さは5㎏以内に制限されているため、「慣れない人が翼に触ると簡単に割れる」ほど軽い素材で作られている。それを自在に操るのは至難の業だ。
 悠平くんが出場したのは、9月25日(土)、26日(日)に宇都宮で開かれた「第30回RC曲技オールジャパン競技大会」(日本無線航空会主催)。決められた演技の正確さを競う種目「F3A、P‐11」で、数人の審判がそれぞれ17項目を採点する。だが、正確にこなせば高得点になるとは限らない。飛び方の美しさなど、審判の好みが反映されるという。
 「いくら上手くても満点の演技はでない。完璧を追求してもできない。それがラジコンの面白さ」と悠平くんは話す。「気温、湿度、風向き、気圧で全く違う。それでずっと優勝できている人もいて、すごい」。昨年、一昨年は7位で涙を飲んだが、三度目の挑戦で大人たちを退け、初の中学生優勝者の栄冠に輝いた。
 9月9日(木)に富山で開かれた「全日本選手権」では、プロも出場する中、10位入賞。層の厚い関東大会を、これも3度目の正直で初通過しての快挙だった。

親子3代で夢中
 悠平くんがラジコンを始めたのは、母方の祖父・厚見育男さん(75)、父・秀明さん(50)の影響。3人兄弟の真ん中だが、興味を示したのは悠平くんだけだったという。小さい頃から一緒に土手に行き、小1から始めた。
 「着陸ができるようになるまで1年。初めてだと水平飛行もできない。常に操作していないと落ちる」。子どもには難しい操作だが、小2で早くも検定会に初出場し、ビギナーズ級に合格。今では全国で20人ほどしかいない最上級のスーパーマスターズも取得、厚見さんと秀明さんの級を超えた。
 千葉県野田市の野田川間ラジコンクラブに所属し、毎週土・日は利根川河川敷で練習を重ねている。母の里香さんが車で送ることも。
 ラジコンは機体が高額なこともあり、少年時代の夢を追う大人がハマる世界。クラブも大人ばかりだ。全国出場が決まった時には、オジサンたちがポケットマネーで募金を集め、交通費を支援してくれたという。
 目標は「日本選手権のシードが取れる6位以内」。将来の夢は「ラジコン関係のメーカーに就職して、見本飛行など続けていきたい」と話す。

写真=上/表彰台の悠平くん。愛機アリエス・バイプレーンと(中央)=宇都宮RCフライングクラブ羽黒飛行場で
下/学校にも優勝を報告=入谷南中学校で