足立朝日

文化アーカイブズ活性化シンポジウム アカデミックなメンバーが 天空劇場に参集

掲載:2010年11月20日号
 「文化アーカイブズ活性化シンポジウム」(主催=日本放送作家協会・東京大学大学院情報学環、後援=足立区、(社)放送文化基金)が11月2日、東京芸術センター天空劇場で開かれた。
 市川森一氏(日本脚本アーカイブズ特別顧問/日本放送作家協会会長)と、石川義夫副区長の開会挨拶後、脚本家の山田太一氏が「私と脚本」をタイトルに、作家性を打ち出した先駆者としての立場で基調講演を行った。
 シンポジウムは「文化はめぐる――脚本アーカイブズとデジタル化」がサブタイトル。第Ⅰ部は「テレビ文化とWeb文化」をテーマに、石田英敬氏(東京大学大学院情報学環長)がコーディネーター、金泳徳氏(韓国コンテンツ振興院日本事務所所長)と今野勉氏(演出家/テレビマンユニオン取締役)がパネリストとして登場。第2部は「文化アーカイブとデジタル化の意味および今後」をテーマに、吉見俊哉氏(東京大学大学院情報学環教授)がコーディネーター、長尾真氏(国立国会図書館長)、竹本幹夫氏(早稲田大学演劇博物館館長)、大路幹生氏(NHK放送総局ライツ・アーカイブスセンター長)がパネリストを務めた(=写真)。
 2部ともアカデミックなメンバーにより、映像テレビ文化、文化関係資料アーカイブズの重要性と、その枠組みの中における脚本・台本アーカイブズという観点から問題が掘り下げられ、熱い意見交換が行われた。最後に香取俊介氏(同協会常務理事/日本脚本アーカイブズ委員長)が、日本における脚本アーカイブズ設立を目指す力強い言葉で、同シンポジウムを締めくくった。

写真=熱い意見交換が展開されたシンポジウム=天空劇場にて(写真提供=日本脚本アーカイブズ)