足立朝日

犯罪被害者の人権と支援学ぶ 竹の塚署で大澤弁護士が講演

掲載:2010年11月20日号
 11月は犯罪被害者支援推進月間。その一環として、竹の塚警察署で11月2日(火)、大澤孝征(たかゆき)弁護士による講演会と同署犯罪被害者ネットワーク会員会議が開かれた。講演会には、会員と署員約100人が参加。
 大澤弁護士は元検察官で、現在は第一東京弁護士会に所属し、テレビなどのコメンテーターとしても知られる。
 講演のテーマは「犯罪被害者の人権~常識という無理解を超えて~」。被害者の権利が守られるようになったのは、ごく最近のこと。大澤弁護士は過去と現在至る経緯を、分かりやすく説明。
 平成12年に犯罪被害者保護に関する法律が成立するまでは、人権保護は加害者に対してのみ考えられていた。「被害者が人権を守られるべき人間であるとの意識を持っている人は、司法関係者の中には少なかった」という。それが大きく転換したのは、被害者や遺族の地道な活動と努力による。
 仲間の弁護士が一人娘を事故で亡くし、立ち直るのに3年かかったという例を挙げ、「被害者は千差万別。型にはめて見てはいけない。被害者に接する時は、それを忘れないで欲しい。でないと、さらに傷つけてしまう。時間が経てば、立ち直ってくる。じっくり見守るしかない。無理に立ち直らせないで」と、呼びかけた。
 警視庁では常時、犯罪被害者ホットラインを設けている。相談はTEL3597・7830、FAX3592・6840まで。

写真=テレビでお馴染みの大澤弁護士