東京都建築士事務所協会足立支部(吉原芳枝支部長)が11月11日(木)に開かれた第4回日本耐震グランプリで、グランプリを受賞した。住宅等の耐震化、家具の店頭防止等に努めている企業、団体、個人を表彰するもので、主催は (財)日本都市センター、(社)全国市有物件災害共済会、NPO法人東京いのちのポータルサイト。
足立区では平成18年から、昭和56年5月以前に建てられた木造住宅・建築物を対象に耐震診断助成・耐震改修工事助成を実施している。制度開始前から建築士事務所協会足立支部は区と協議を重ね、「耐震診断」「補強設計」「概算見積」を3点セットにして利用者に提示する独自のシステム「足立区方式」を生み出した。
これにより、全国的に耐震診断から補強工事になかなか結びつかない中、足立区は診断を受けた人の補強率が約5割という驚異の実績を上げた。また家具転倒防止も制度実施の前年の4件から、310件にまで急増。足立支部と区の協働により、助成制度が形だけのものに終わらず、有効に機能するものとなった。
同19日(金)、吉原支部長は松崎孝平副支部長、木谷正道・NPO法人東京いのちのポータルサイト副理事長とともに区役所を訪問、区長に受賞を報告した。
吉原支部長は「地道な活動が認められたのが、うれしい」と受賞を喜びつつも、「耐震とリフォームを勘違いしている人がいる。リフォームほど料金はかからない。また、木造アパートは大家の都合で難しい状況もある」と課題を語った。
また同支部は中学2校で生徒を対象に耐震授業を行ったことがあり、松崎副支部長は「耐震や防災の意識が高くなった。今後、中学の防災教育を進めていければ」と話す。
木谷氏から診断の必要な昭和56年以前の建物へのアピール方法の提案もあり、更なる耐震普及に向けて、区長と積極的な意見交換がされた。
写真=左から木谷副理事長、区長、吉原支部長、松崎副支部長=区役所で











