足立朝日

弘道2丁目大型墓地計画 住民がデモで反対訴える

掲載:2010年12月20日号
 弘道2丁目で大型墓地建設の話が持ち上がり、住民たちの間で反対運動が起こっている。
 場所は弘道2‐12‐28にある約4000㎡の土地。かつて「十一中の池」と呼ばれた湿地で、現在は駐車場。綾瀬寮、都営弘道二丁目アパートなどが隣接する住宅地で、半径100~400m以内に幼稚園、小中学校、高校などが集中している。計画されている墓地の規模は1444区画の墓、3階建ての管理棟、駐車スペース49台。工事許可申請予定日は平成23年2月22日としている。
 住民の反対理由は、通学路の車の渋滞と事故の危険性増大、住宅地内に死角による犯罪誘発のリスク、土地家屋の資産価値の低下、線香の煙や供物による公衆衛生問題、湿地の頃の土壌汚染懸念などがある。何よりも、寺のない墓地が生活圏内に造られることによる心理的苦痛、住環境破壊への反発が大きい。
 近くで歯科医を営む墓地建設反対協議会代表・片桐博陽さんは、「みんな墓は必要だと思っている。だが、墓は人のいないところにあるか、墓があることがわかっていて周りに住むもの。いきなり住宅地にできるのは納得できない」と憤る。
 12月11日(土)には、超党派の議員4人を含む地域住民約120人が、墓地予定地手前から五反野駅前通りなどをデモ行進し、反対を訴えた。
 また同夕、中央本町地域学習センター内で説明会が開かれ、墓地計画主の浄光寺(古千谷本町2丁目)代表・大島文夫住職と弁護士らが出席。
 大島住職は墓地の目的を、「都全体の墓地不足を解消する役に立ちたい」と説明。弁護士から、霊園出入口は1カ所で夜間は門扉を閉鎖、墓参集中日の交通誘導員配置など、反対要件解消の計画が示されたが、住民の反発は激しく、「我々の精神的苦痛を考えていない!」など怒声が飛び交う荒れたものとなった。

写真=「大型墓地はいらない」「環境破壊は許さない」と住民が訴えた=五反野駅周辺で