社員証ケース、角質取りヤスリ、面ファスナーポーチ、ドクターシューズ、アクセサリースタンド……。足立区産業センター会議室に、足立のまち工場が作った新製品がズラリと並んだ。講義と実習で実際に新製品を開発する、という全国でも珍しい「新製品開発セミナー」が、約半年の長丁場を終了、12月1日(水)発表会が行われた。5月7日(金)からスタートしたセミナーの講師は、工業デザイナーの大塚聰氏とあだち異業種交流会「未来クラブ」会長で、江北3丁目で(株)安心堂を営む丸山寛治氏の2人。区内企業から7社12名が受講した。
このセミナーは、講座を通し、受注中心の会社から脱皮して自社製品を作り、販売分野にも手を伸ばすことを目標にするという新しい試みで、一種の「ものづくり大学」。これを区の中小企業支援課が後押しした。
企業経営者が多いだけに金曜日を中心に月2回、午後4時半~8時半の講義に出るのは至難の業だったが、「落ちこぼれないように懸命に頑張った」と参加者の岡部弘文(株)グレイスエンブ社長。
企業分析書と製品企画書づくりから始まり、設計、試作に次ぐ試作、そして知的財産権の勉強と申請書の作成、販売プレゼン資料作成と進み、発表会に漕ぎ着けた。
熱のこもったプレゼンとともに発表された新製品は力作揃いで、12点が「TASKものづくり大賞」(注)に応募するとともに、「8点は知的財産権をとれる」(大塚講師)と太鼓判を押された。
講評では、大塚講師が「プレゼンは終わったが、開発は始まったばかりと思って下さい」。丸山講師は「来るたびに皆の目つきが変わるすごいセミナーだったが、楽しかった」。優秀社に(株)グレイスエンブが、優秀者に「社員証ケース」を作った(有)三幸の伊藤美紗子さん、「面ファスナーポーチ」を作った ㈱グレイスエンブの岡部瑠璃子さん、「アクセサリースタンド」を製作した(株)フクムラの鈴木正江さんが選ばれた。(注)TASKものづくり大賞……江東5区(足立、荒川、葛飾、墨田、台東)の中小企業の技術や製品を審査し、大賞などの賞を決めるイベント。
【問合せ】中小企業支援課TEL3870・8400
写真=上/パワーポイントを使っての懸命のプレゼン=産業センターで
下/会場には新製品がズラリと並んだ











