足立朝日

かわいいうさぎで新年をほっこり過ごそう

掲載:2011年1月5日号
 今年は卯(うさぎ)年。大きな耳と丸みを帯びた姿で、古くから人々に愛されてきた動物にあやかって、今年は穏やかでやさしい年になることを祈りたい。
 その干支(えと)にちなんで、足立区にいるうさぎたちを紹介しよう。


生物園
 生き物のうさぎには、生物園(保木間2‐17‐1)で会える。4匹が飼育されていて、ふれあいコーナーで子どもたちに大人気だ。
 3匹はネザーランドドワーフ。一番小さい種類で、耳も短め。ピーター・ラビットのモデルといえば、姿が思い浮かぶ人も多いだろう。
 もう1匹は、その名の通り垂れた耳と、ふわふわの毛が特徴のロップイヤー(垂れ耳)。生物園のモルモットと仲良しで、寒い時には4匹のモルモットたちが「ロップちゃん」の下に潜りこんだりするという。

うさぎの生態
 意外と知らないうさぎのことを、ふれあいコーナー担当飼育員の児玉高嶺さんに聞いてみた。
 うさぎの赤ちゃんは生まれた時は、毛が生えていなくて、見た目は「ちょっと気持ち悪いかも」とか。母うさぎは自分の毛をむしって、子どものために温かい巣を作ってあげるそうだ。
 臆病な生き物なので、音には敏感で、無表情に見えるが結構感情豊か。「すごく嫌なことをされると、ブーっとブタみたいに鼻を鳴らしたり、スタンピング(後ろ足を床に打ち付ける)したりします。朝いちのフンは栄養が残っているらしく、食べちゃう」。ウーン、びっくり!?
 可愛いからつい飼いたくなってしまうが、お店では雑種は全て「ミニウサギ」と表記できるため、小さいものでも必ず大きくなるそうなので、ご注意を。

ロップちゃんの願い
 ロップちゃんが今年生物園の仲間に加わったのには、特別な事情がある。
 生物園の外にいるのを町内のパトロールの人が見つけ、園で飼育しているうさぎが逃げ出したのではと、持ち込んだのだ。担当者が不在でとりあえず受け取ったが、園で飼育しているうさぎはネザーランドのみ。ロップちゃんは、なんと捨てうさぎだった。やむを得ず園で面倒を見ることになった。
 最初は餌も食べずに怯えていて、やっと食べるようになっても抱くと暴れる状態だったという。手入れされていない毛も毛玉だらけ。子どもたちが今ロップちゃんと仲良くできるのは、飼育員の愛情とケアがあってこそだ。
 飼育展示責任者の本多勝幸さんは「生物園は動物と触れ合って良く知ってもらい、自然との共生を考えてもらうための場所。捨てにくるところではないので、勘違いしないで欲しい」と訴える。今回はあくまで特別措置。多くの生き物を飼育している生物園では、病気が持ち込まれるのを防ぐ意味でも、生き物の引き取りはしていない。
 うさぎに興味を持つ人が増える卯年は、全国的に捨てうさぎが急増するという。生き物は飼ったら、終生面倒を見るのが鉄則だ。児玉さんは「生物園は生き物とも、飼育員とも距離も近いのが良さ。気軽に話しかけて。もし動物を欲しいと思ったらまずここに来て、飼育員に飼い方などを聞いて、飼える環境かどうかじっくり考えて」と話す。
 動物は、癒しとやさしい気持ちを与えてくれる。苦手な人も、柔らかくて大人しいうさぎと触れ合うことから初めてみては? 人間とは違う生きものの命を感じて、心豊かな1年にしよう。

じっくり観察! ウサギの絵をかこう
 ウサギの体がどういう作りになっているか、観察してみよう。
【日時】1月10日(月・祝)午後1時半~2時半
【場所】生物園会議室
【定員】20人(9時半から受付、先着順)、小学生未満保護者同伴。
【料金】無料(入園料のみ=大人300円、子ども150円)
【問合せ】TEL3884・5577生物園(元渕江公園内、「保木間仲通り」バス停徒歩5分)

写真上/大きいのがロップちゃん。モルモットと仲良く食事=生物園ふれあいコーナーで
写真下/児玉さんに抱っこされたネザーランド。ピーター・ラビットにそっくり


匠の技十二支キーホルダー
 南花畑在住の江戸木彫刻師、三本杉正治さん(73)が約4年前に製作したのが可愛い十二支のキーホルダー。
 「何か他の人と違うものを作りたい」ということで誕生したのが十二支キーホルダーだ。干支キャラクターは、動物イラスト集をもとに三本杉さんがアレンジして原画を作った。それを、汚れにくいハンコに使われる柘植(つげ)材に貼り付け、木工ミシンで輪郭をとる。その後、細かい部分を彫刻刀で彫り、目や鼻にビーズを埋め込む。最後に塗料(ニス)を塗り仕上げる。製作には約2~3日かかる。
 十二支のキャラクターは、どれもこれも個性的で可愛いものばかり。今年の干支と一緒に、自分の干支を買ってみては。1つ1つ丁寧に作ったキーホルダーは、1個1000円。欲しい方は、電話でご注文を。
【連絡先】TEL3884・4055、南花畑4‐5‐1



写真上/十二支キーホルダーがズラリ
中/今年の干支、「卯」のキーホルダー
下/「区内で行われる伝統工芸品展でも販売します」と三本杉さん