
区役所に届けられたのは、大小12個の段ボール箱いっぱいのキャラクターグッズやぬいぐるみなど、おもちゃ約340個。1月12日(水)の午後7時過ぎ、巡回中の警備員が南館入口に置かれているのを見つけた。
区長宛ての手書きのメッセージには、「施設の子どもたちにおもちゃを差し上げて下さい 足立の伊達直人より」とあった。この善意は翌日、区内唯一の児童養護施設「クリスマス・ヴィレッジ」(西新井本町4‐13‐16)に届けられた。
●養護施設の子どもたち
同施設は0~18歳までの73人が生活。5歳の子どもは、「おもちゃ、おもちゃ!」と大喜びだったという。柴山英士施設長は足立の伊達直人への感謝とともに、「一番うれしいのは、伊達直人が全国に広がり、児童養護施設の名称と、そんな子どもたちがいることが知れ渡ったこと」と話す。
その一方で、「社会の養護施設に対する認識は、昔のままなのでは」との危惧もあるという。戦後で孤児が多かった時代と違い、今は親のない入所者はほとんどいない。発達障害で親が育児困難になった、虐待を受けた、など家庭問題が大半。同施設でも虐待経験のある子は6割を超える。

入所前、子どもたちは勉強できる環境になく、その影響で学習が遅れがちな現状がある。「もし支援をお願できるなら、例えば音楽や英会話など、得意分野を子どもに教えて欲しい。庭の剪(せん)定ができるなどでも良いので」と施設長。
伊達直人になりたい人は、その思いやりを、直接子どもたちへのあたたかい眼差しと力に変えてみてはどうだろうか。
【連絡先】TEL3890・5291クリスマス・ヴィレッジ
写真上/市川保夫・子ども家庭支援課長(左)からおもちゃを受け取る、柴山施設長=クリスマス・ヴィレッジで
写真下/タイガーマスクから届いたおもちゃ