
赴任先のタンバクンダ州では、住民が十分な基礎保健サービスを受けられていないことに加え、保健・予防の基礎知識が不足していることから、妊産婦と幼児の死亡率が高い。名村さんは看護師として、現地の診療所を拠点に地域を巡回し、マラリア予防や母子保健など、住民への保健の基礎知識の啓発活動を行う。
名村さんが都内の医療センターで働き経験を積む中で、海外の先進国で働きたいと思っていた時、出会ったのが隊員OBの夫。一緒に南米ペルーに旅行し、初めて足を踏み入れた発展途上国で考えさせられることが多く、国際協力の道に進んだという。昨年8月まで、夫婦揃ってザンビアで仕事をしてきたばかりだが、アフリカへの想いが強く、今回の派遣を志願した。
昨年12月、区長を表敬訪問。若いころ南米をバックパッカーで旅行したという区長と、話が弾んだ。
「医療にアクセスしにくい所に行きたいと思い、水も電気も通っていないところをあえて希望しました」と話し、「お風呂もないんですか?」と驚く区長に、「今、なるべく水を使わないで入れるように工夫している」と明るく答えた名村さん。外に積極的に出ていく立場から、今の足立区の若者の「小さくまとまっていて、内にこもりがち」という現状を憂える場面もあった。
診療所は首都から400㎞ほどのところにあるため、現地ではバイクで巡回する予定という。「日本では医療の質が問題になりますが、アフリカでは医療にアクセスできるかどうかが問題。マラリアやデング熱などの心配もありますが、保健予防活動を頑張っていきたい」と意欲を語った。
写真/区長を表敬訪問した名村さん=区役所で