足立朝日

足立区から羽ばたけアーティスト 天空劇場でえんチャレ発進

掲載:2011年2月20日号
 あだちエンターテインメントチャレンジャー支援事業(通称えんチャレ)がスタートした。
 ジャンルは限定せず、将来プロを目指している、もしくは現在プロとして活動しているアーティストに、東京芸術センター21階の天空劇場を3ヵ月間無料で貸し出して支援することで、区のイメージアップや文化芸術の振興につなげようというもの。審査を通った登録者は登録料5000円を納め、劇場を稽古などに利用すると同時に、区民に無料公演を行うなど還元する仕組み。
 4月までの第1弾登録者が決まり、2月4日(金)、同劇場で登録証授与が行われた。9組の申し込みの中から審査会を経て、2組が決定。それぞれパフォーマンスを披露し、近藤区長から登録証を授与された。
 登録者の1人、山崎千裕(ちひろ)さん(26)は伊興在住のトランペット奏者。伊興中ブラスバンド時代から始め、映画「のだめカンタービレ」に出演するなど、様々な音楽活動をしている。劇場はドラム、ベース、鍵盤によるインストユニット「山崎千裕+ROUTE14band」として利用する。「育った区で演奏活動したいと思っていた。作曲した曲で世界に音楽を広げていきたい。中学・高校のブラバンが盛んなので、天空劇場が目標になれば」と山崎さん。「アメイジング・グレイス」と区歌「わがまち足立」などを織り交ぜた曲を即興で演奏した。
 船橋市在住の西方正輝(まさてる)さん(22)は東京藝大4年生のチェロ奏者で、バッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」を披露。普段広い練習場所がなく、以前利用して弾きやすかったことから応募したという。「30歳までに世界一のチェリストになるのが目標。劇場ではピアノとリサイタルがやりたい」と熱く語った。
 今後、天空劇場を拠点に、才能ある数多くのアーティストたちが、足立区から羽ばたいていってくれることを期待したい。
*登録証授与の段階では、NSC(よしもとの芸能人育成過程)出身の若手芸人8人の漫才集団も登録されたが、所属事務所の了承を得ていないなど不備が多々あり、辞退の申し出を区が受理した。

写真上/西方正輝さん
下/山崎千裕さん