足立朝日

　プレタポルテ（高級既製服）ブランドが新作を発表する場として世界的にも有名な東京コレクション。その来秋冬コレクションが３月21日（月・祝）から一週間行われるが、その中日の24日（木）に初参加を決めた気鋭の服飾デザイナーがいる。その人は、綾瀬駅そばにオフィスを構える根本聖則（きよのり）さん（45）。根本さんは、布を裁断する際に出る端材を活用したエコロジーファッションブランドを引っさげての出場だ。

生地端材を縫い合わせてデザイン
　根本さんは、綾瀬駅西口に近い綾瀬１-33-７に「ラスールデザインオフィス」を構えながら、弟の正敏さん、姉の美佐子さんと一緒に婦人服店「ＡＧＯＧＯ」を営む。同店は、ネット販売が主力だ（HP）。
　今回出品するのは、写真のようなオシャレなヤングミセス向きのスーツ。区内を中心とする３軒の裁断屋さんから手に入れた生地の端材を約１、５００枚の三角形のパーツに切って、それを見事にデザインし、縫い合わせた。

区の「ニュービジネス支援事業」に採択
　同オフィス、実は昨年度、布を裁断する際に出る端材を活用したエコロジーファッションブランド「アンドロジーヌ」の立ち上げを提案し、足立区の「ニュービジネス支援事業」に採択された。「大量に出る生地の端材を活用出来れば、究極のエコになる」という考えで、区内の裁断工場１００軒を調べ上げた。みな零細工場で、不景気と中国市場の影響により厳しい経営環境に置かれていたが、「仕事が増えるなら」と根本さんの趣旨と熱意に賛同する企業が何軒か見つかった。

希望者をショーにご招待
　「東京コレクション」は、デザイナーの登龍門であり、先の「ニュービジネス支援事業」の提案で、根本さんが発表先として挙げていた場所でもある。今回「デザイナー支援枠」に応募、厳しい審査で合格し、その夢がかなった。「まずはスタートラインに立った。これを契機にさらにがんばりたい」と話す根本さん。出場は、３月24日（木）の午前10時半～で、六本木の東京ミッドタウンホールＡが会場となる。この根本さんのショーを見たい人は、直接綾瀬のお店兼オフィスに来れば、招待券を進呈する、という。
　お店は、正午～午後８時、水、日・祝が定休。TEL３６９０・４９６３。綾瀬駅西口下車、徒歩２分。
【メモ】東京コレクション＝東京で３月と11月に開催されるファッションショー（コレクション）。世界四大コレクションの次席に位置づけられている世界的なコレクションのひとつ。１９８５年に日本の代表的なデザイナー32名によって創設された東京ファッションデザイナー協議会（略称・ＣＦＤ）が中心となり発足した。毎年春と秋の２回、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークで世界的なコレクションが続けて開催され、シーズンに先がけて新作が発表される。東京コレクションはその最後を締めくくる。

写真／今回出品する「アンドロジーヌ｣ブランドのスーツを横に根本聖則さん＝「ＡＧＯＧＯ」で