和風漫談家として活躍する演芸界の大ベテラン、宮田章司(77)さんの一門の若手による勉強会「演☆芸☆笑☆―」が、3月6日(日)シアター1010で開かれる。
宮田章司さんは、千住中居町の生まれ。小さい頃に日常的に聞いていた物売りの「アサリ~、シジミ~」など、独特の節回しの掛け声を寄席芸として完成させ、日本で唯一の「江戸売り声」芸人としても知られている。
主催は椋代琴紫さん
勉強会を主催するのは、ボランティアグループ「かぜ友の会」の前代表・椋代操(むくだいみさお)さん(70)。4年がかりで、先日ようやく代表を後継者に引き継いだばかり。ボランティアの協力者である宮田師匠への感謝を込めて、一門の若手に舞台経験の機会を、と企画した。
椋代さんは歌、踊り、手品など一芸に秀でたメンバーたちと、20年ほど前から老人ホームや銭湯、視覚障害者の集まりなどで、演芸ボランティアの活動を続けてきた。
自らも6代目馬琴に講談を学び、師匠からもらった「琴紫(きんし)」を名乗る。玉すだれや、バルーンアート、さらには数多くの無声映画を保管する綾瀬の松田映画社で弁士をしていたことも。仲間を率いて、天下の浅草五重塔のそばで大道芸を連日やってのけ、浅草演芸界でも顔が知られる。
気風の良さと人情に厚い人柄に、多くの人が集う。宮田さんの信頼も厚く、「椋代さんから声がかかれば、何か手伝ってあげようとボランティアで受けちゃう」と、大御所をして言わしめる。
ボランティアはリハビリ
積極的に外を飛び回っていた椋代さんだが、35年前から悪性の関節リュウマチを患い、障害を抱える中での活動だった。3年前、車椅子生活にな
ったのを機に、特養老人ホームの千住桜花苑に入所。スタッフの協力を得て、自室を会の事務所として依頼調整などをこなしてきた。
両肘・両膝に人工関節、頚椎には針金が入り、変形した指は痺れもある。2週間ごとに痛み止めの注射を打つ生活だが、「リウマチの痛いのは我慢できる。心が痛いのは我慢できないけど」と、元気な声で語る明るい笑顔からは、体の不調はまるでうかがい知れない。
ボランティアは「私のリハビリ、生き甲斐!」と、目が輝く。「喜んでくれて、また来てください、と言われると本当にうれしい。我々はやらせてもらってるの、という気にならないとダメなのよ」。長年の活動の信念だ。
座右の銘の「泣いて暮らすも一生笑って暮らすも、同じ一生なら笑って暮らそうね」は、祖母の口癖だそうだ。
「演芸笑ー」は今後年2回開いていく予定という。椋代さんが可愛がる若手たちによ
る演芸ショーは、「笑って暮らす」が実践できる場になるに違いない。
《演☆芸☆笑☆―》
【日時】3月6日(日)午後1時~4時半
【場所】シアター1010
【木戸銭】1010円(視力障害者・ガイドヘルパー半額)
【出演】かぜの会=須谷シゲ、河副まき子(銭太鼓)、宮田章司一門=宮田陽・昇(漫才)、ざっくばらん(漫才)、ストレート松浦(ジャグリング)、渡会良(大道芸)、スペシャルゲスト=宮田章司
【問合せ】TEL&FAX5244・1518椋代(むくだい)
写真上/椋代さん、お気に入りのペンギン型植木と=千住桜花苑玄関で
下/江戸売り声の宮田章司さん
宮田章司さんは、千住中居町の生まれ。小さい頃に日常的に聞いていた物売りの「アサリ~、シジミ~」など、独特の節回しの掛け声を寄席芸として完成させ、日本で唯一の「江戸売り声」芸人としても知られている。
主催は椋代琴紫さん勉強会を主催するのは、ボランティアグループ「かぜ友の会」の前代表・椋代操(むくだいみさお)さん(70)。4年がかりで、先日ようやく代表を後継者に引き継いだばかり。ボランティアの協力者である宮田師匠への感謝を込めて、一門の若手に舞台経験の機会を、と企画した。
椋代さんは歌、踊り、手品など一芸に秀でたメンバーたちと、20年ほど前から老人ホームや銭湯、視覚障害者の集まりなどで、演芸ボランティアの活動を続けてきた。
自らも6代目馬琴に講談を学び、師匠からもらった「琴紫(きんし)」を名乗る。玉すだれや、バルーンアート、さらには数多くの無声映画を保管する綾瀬の松田映画社で弁士をしていたことも。仲間を率いて、天下の浅草五重塔のそばで大道芸を連日やってのけ、浅草演芸界でも顔が知られる。
気風の良さと人情に厚い人柄に、多くの人が集う。宮田さんの信頼も厚く、「椋代さんから声がかかれば、何か手伝ってあげようとボランティアで受けちゃう」と、大御所をして言わしめる。
ボランティアはリハビリ
積極的に外を飛び回っていた椋代さんだが、35年前から悪性の関節リュウマチを患い、障害を抱える中での活動だった。3年前、車椅子生活にな
ったのを機に、特養老人ホームの千住桜花苑に入所。スタッフの協力を得て、自室を会の事務所として依頼調整などをこなしてきた。
両肘・両膝に人工関節、頚椎には針金が入り、変形した指は痺れもある。2週間ごとに痛み止めの注射を打つ生活だが、「リウマチの痛いのは我慢できる。心が痛いのは我慢できないけど」と、元気な声で語る明るい笑顔からは、体の不調はまるでうかがい知れない。ボランティアは「私のリハビリ、生き甲斐!」と、目が輝く。「喜んでくれて、また来てください、と言われると本当にうれしい。我々はやらせてもらってるの、という気にならないとダメなのよ」。長年の活動の信念だ。
座右の銘の「泣いて暮らすも一生笑って暮らすも、同じ一生なら笑って暮らそうね」は、祖母の口癖だそうだ。
「演芸笑ー」は今後年2回開いていく予定という。椋代さんが可愛がる若手たちによ
る演芸ショーは、「笑って暮らす」が実践できる場になるに違いない。
《演☆芸☆笑☆―》
【日時】3月6日(日)午後1時~4時半
【場所】シアター1010
【木戸銭】1010円(視力障害者・ガイドヘルパー半額)
【出演】かぜの会=須谷シゲ、河副まき子(銭太鼓)、宮田章司一門=宮田陽・昇(漫才)、ざっくばらん(漫才)、ストレート松浦(ジャグリング)、渡会良(大道芸)、スペシャルゲスト=宮田章司
【問合せ】TEL&FAX5244・1518椋代(むくだい)
写真上/椋代さん、お気に入りのペンギン型植木と=千住桜花苑玄関で
下/江戸売り声の宮田章司さん











