足立朝日

江北高校定時制 「月あかりの下で」上映を機に 宮川副校長語る

掲載:2011年3月5日号
 2月18日(金)、都立江北高等学校・柏友館(西綾瀬4-14-30)で「PTA学習会『月あかりの下で』講演と映画の夕べ」が開かれた。江北高校定時制課程(磯部直樹校長/全日制兼任)では、そこで学ぶ生徒や学校の存在を知ってほしいと、PTAが毎年内容を練って地域に開かれた学習会を継続。
 今回上映した作品は、埼玉県立浦和商業高校定時制課程(2008年3月に閉課程)を舞台に、4年間の生徒の成長を追ったドキュメンタリー映画で、2010年度「文化庁映画賞」他様々な賞を受賞。同作品に登場したクラスの担任であった平野和弘教諭の講演も行われ、好評を博した。
 中学時代の不登校、高校生活に馴染めずに退学、病気による退学、経済的な問題、大人になってから学びに挑戦、日本語学習が必要な外国人など様々な事情を持つ生徒の受け皿となる都立高校定時制。江北高校定時制では、16歳から70歳近い生徒に対して、「安心・安全・アットホームな定時制」をモットーに授業を展開。英・数・国に関して特別授業が必要な生徒への対応も実施。
 昨年4月に同校に赴任した宮川隆史副校長は、全日制学年制普通科、単位制総合学科、定時制単位制総合学科(チャレンジスクール)などでの経験が豊富。社会科教員として教職スタートを切り、約10年後に家庭科に転科。やはり約10年間、福祉系の授業も多く担当した経歴の持ち主。「定時制は一般的なライフスタイルとは違い、夕方からの4時間を4年間通い通す必要があり、それをまっとうして卒業する人たちは本当に立派だ!」とエールを送る。
 「どの生徒も様々な方法で教育すれば必ず伸びる。生徒に伸びてもらうことが私たちの仕事。生徒が自分にとって利用価値の高い学校を選び、いかに自分を伸ばすかは高校生活を有意義に送るための大事なポイント。私たちはそのためのサービスを全日制・定時制ともども提供していく。生徒の皆さんには、それを最大限に活用して、未来を切り拓いてほしい」と宮川副校長は話す。
 地域との関係を大切に考える公立高校。そこには「地域から愛され、選ばれる学校でありたい」と努力を続ける教員陣の姿が彷彿とされる。

写真/宮川隆史副校長