足立朝日

第66代足立区議会議長 古性 重則さん(61歳)

掲載:2011年3月5日号
東綾瀬1丁目在住

足立区に必要な「自助・共助・公助」の精神

 古性重則氏が区議を目指したのは、義理の父である元足立区長・古性直(ただし)氏の引退後、足立区の体制が変わり、議会と執行機関が低迷する中で区政が混乱していたため、それを正したいとの強い思いが基盤。平成11年に区議に立候補し、初当選した。その翌年には党副幹事長を務め、決算特別委員会委員長、足立区監査委員、党政調会長などを経て、第66代足立区区議会議長に就任。
 区議・議長として、自分の思いを区政に反映できることにやりがいを感じる。「世の中は公平でなければいけない。その最たるものが『納税者が納得する区政』」と考える古性議長。現在、一番不公平だと感じるのは、「生活保護者が受給する金額と、納税者が年金で受給する金額のギャップ」。前者は13万円余、後者は6万円余で、足立区は生活保護費のみで430億円を必要とする。しかし、区民から納税される区民税は367億円。国が半分、東京都と足立区が1/4を負担するとしても、足立区の負担分は100億円を超える。しかも足立区の生活保護者数は、毎月100人ずつ増加しているという。この状況をどこかで止める必要があるが、最低限の生活を保障する「生きる権利」があるため、少なくとも納税者が受給する金額と、生活保護者の受給額が見合ったものでなくてはならないと考える。
 ここで必要なのは「自助・共助・公助」の精神。まずは「自分」が頑張り、それでも一定レベルの生活が実現しない場合は、「家族・仲間」に協力を願う。身寄りもなく病を抱えて初めて「公助」を受けるというシステムの必要性を力説する。ただ問題は、これは区議の手の届かない国の制度であること。法律を変えられる立場である国会議員に希望を託さざるを得ない現状に、日々歯痒さを感じる。区議会の課題としては「持続可能な社会」の実現。そのためには区議が自分の地域のことだけを優先するのではなく、「自助・共助・公助」の精神で足立区全体のことを考えて職務を全うしなければならないと考える。
 古性議長の座右の銘は「感謝」。「親、家族、周囲、そして5人の孫に感謝」と微笑む。さらに、古性氏を支える後援会の面々。どの事業に於いても、古性議長に何の心配もかけることなく黙々と行動する姿に、深い信頼と感謝の気持ちを抱く。