足立朝日

国際協力を書いた第四中の内田さん 中学生・高校生エッセイ コンクールで優秀賞

掲載:2011年3月20日号
第四中学校3年の内田実里(みさと)さんが、JICA主催の「行動~地球の仲間のために、私たちができること~」をテーマにした「中学生・高校生エッセイコンクール」で、優秀賞を受賞した。
4万7081通の応募があり、優秀賞は7人。3月5日(土)に渋谷区広尾のJICA地球ひろばで表彰式が行われた。
内田さんは「国際協力に携わって」の題で、美術部部長を務めていた2年時、社会科の山田勝之教諭からの提案で、フィリピンの貧しい子どもたちのために、部全員で紙芝居を作って送った経験を書いた。
現地で流行っているデング熱の知識を学ぶ際、大勢の子どもたちに対して小さな絵本しかないと知り、「大きくて楽しめる紙芝居に」と、絵本を元に試行錯誤を重ねて半年かけて制作。その過程と、送った後に現地のボランティアから届いた感謝の言葉や、紙芝居を笑顔で見る子どもたちの写真を見た時の喜びを、原稿用紙3枚に綴った。
それまで、海外協力に関心のなかった内田さんは、「飲み水や家がないなど、私たちにはとても考えられないことだったので、衝撃だった」。昨年は、空腹を紛らわすために麻薬に手を出してしまうストリートチルドレンのことを描いた2作目を作って、年末に送った。
「美術部の活動を素直に書いただけなのに、こんな素晴らしい賞をいただけるなんて」とうれしい反面、反省もあるという。現地では、「こんなの全部やらせでしょ」と、日本へのマイナスイメージを持っている子もいると、後になって知ったからだ。「国際協力を軽く考えていた。させてもらっている、という気持ちが大切だと、考えさせられた」。今なら、もっと踏み込んだ内容を書いたはずとの気持ちがある。
内田さんは副賞として、7月にマレーシアに1週間滞在し、ホームステイや学校との交流を体験する予定。現地で日本の遊びを一緒にしたいという。
少しずつ広がる体験と通じて、「将来はJICAなどボランティア関係の仕事をしたい」と、内田さんの夢は膨らむ。