計画停電で仕事がままならず、中小企業はあえいでいる。51社が加盟する東京都印刷工業組合足立支部は3月29日(火)、計画停電についての要望書を区内の自民、公明、民主、共産党と区長に提出し、窮状を訴えた。
庁舎を訪れたのは、支部長の佐々木正一さん(㈱丸庄=千住)、副支部長の小林英一郎さん(㈱エイジ=舎人)、同・勝村良夫さん(㈱ダイイチ=綾瀬)、同・瀬田章弘さん(弘和印刷㈱=本木南町)。千住と綾瀬は計画停電エリア外だが、小林さんの舎人と瀬田さんの本木南町は第5グループで、これまでに5回以上の停電を経験した。
印刷業にとって年度末は書き入れ時だが、停電の日の仕事を断らざるをえない。瀬田さんの会社では生産が2~3割落ちたという。1日3時間の停電であっても前後に機械の整備があるため、損失時間はそれ以上になる。「このままだと、雇用維持も難しくなる」と瀬田さんは話す。
小林さんが一番厳しかったのは、2回停電の実施。朝10時までの停電に加え、2回目が午後2時から5時まであり、1日休業を余儀なくされた。「伊興(第4グループ)の自宅に帰ると、夜の7時から10時まで停電で、真っ暗。1日1回はまだ耐えられるが、いつあるかわからない不安感で、負担がかなり大きい」。町工場は住宅地の中にあるため、早朝から機械を回すなどシフト調整もできないという。
要望書では計画停電の趣旨を理解し協力を前提とした上で、実施は1日1回を上限に時間短縮、停電エリアの不公平の解消、また該当エリア内の企業に対する区の助成を求めている。
電力不足は、温暖な4月は一旦落ち着くと見られるが、冷房利用が増加する夏は深刻な状況が予想されている。要望書を受け取ったある議員は、「停電エリアが偏っている原因を究明しないと、夏も同じことが繰り返される懸念がある」と指摘した。
佐々木支部長は「停電の問題は、どの事業も同じだと思う。要望書は工業者を代表しての気持ち。夏に向けて力強く何度も訴えていきたい」と話す。
写真/区長代理の村川秀次秘書係長に要望書を手渡す、佐々木支部長と、副支部長の小林さん、勝村さん、瀬田さん=区役所で











