足立朝日

「あだち桜ビール」を作ります 舎人公園・レーガン桜の酵母を使用 酒千会が企画

掲載:2011年4月20日号
 「桜のまち足立を盛り上げよう」と昨年10月にリキュール「あだち五色桜物語」を作った千住地区の酒屋有志の集まり「酒千会」が、今度は「桜ビール」を作ることになった。
 酵母は、30年前にアメリカ・ワシントンから舎人公園に「里帰り」したレーガン桜で、満開の4月12日(火)に酵母の採取が行われた。


レーガン桜の花を採取
12日、舎人公園西側に植えられたレーガン桜の前に集合したのは、「酒千会」の成田一司会長=千住中居町「成田酒店」店主、北原眞一「ローソン千住中居町店」店主、千住緑町の「千寿なかむら屋」竹内一郎店主、「セブンイレブン柳原2丁目店」沼尻哲男店主、千住東の「加瀬政商店」沼田政彦店主の5人。
 5人は、区役所の西部公園管理事務所職員が見守る中、前夜の雨が上がり、すっきりと晴れ上がった中で、青空いっぱいに枝を広げて開花した花を、慎重に選定して摘み、大切に収納した。
 この桜花に付いた酵母を使って地ビール「あだち桜ビール」を作ろう、という新企画だ。
 製造するのは、新潟市にある「新潟ビール株式会社」で、各地の地ビール作りには定評のあるビール醸造メーカー。同日夕、「酒千会」は、さっそくこの桜花を宅急便で同社に送った。同社研究室で、優良な酵母を採取し、約2カ月間の培養作業に入ることになる。
「あだち五色桜物語」を後押し
 この企画は、昨年10月に「酒千会」が「NPO法人五色桜の会」と共同で作ったリキュール「あだち五色桜物語」のバックアップ商品を作ろう、ということで生まれた。
 来年2012年は、日米友好の印としてワシントンなどに「荒川の五色桜」が贈られてから100年目の記念の年。来春には、これを記念する様々なイベントが予定されているが、この桜酵母エキス入りビールがその際の記念商品として限定販売される予定だ。
 「あだち桜ビール」は、350ml缶で350円~400円を予定。
 成田会長は、「いい酵母が採れて培養に成功すれば、テスト醸造をしてもらい、早ければ10月にはテスト販売をしたい」と話している。
 来春には、あちこちの足立の桜の名所、まちまちで、「あだち桜ビール」とリキュール「あだち五色桜物語」で乾杯する姿が見られるかもしれない。
【メモ】「レーガン桜」は、30年前(1981年)に、レーガン元アメリカ大統領が来日した際に、ナンシー夫人から友好親善の印として贈られたワシントンのポトマック河畔の里帰り桜。
 現在、都立舎人公園の西側に2本植えられており、その側らに記念碑が建っている。

写真上/レーガン桜から桜花を採取する「酒千会」の面々=舎人公園で
中/青空に映える満開のレーガン桜=同
下/採取した桜花を、ビール会社に送る作業をする成田会長=成田酒店で