足立朝日

風評被害を吹き飛ばせ! 区内八百屋が被災産地応援フェア

掲載:2011年4月20日号
 原発事故による風評被害を吹き飛ばそうと4月13日(水)、区役所正面広場で被災産地応援フェアが開かれた。
 規制値を上回る放射性物質検出によって出荷停止になった野菜だけでなく、同じ県内産というだけで出荷を断られるなど、風評被害が相次いでいる。その中には、足立区の友好都市・鹿沼市も含まれている。
 「今は野菜の生産地域が東北に移っていく季節。このままでは農家がダメになり、夏野菜がなくなってしまう」。そんな危機感を持った区内の八百屋100人と北足立市場関係者らが、ボランティアで集結。福島、茨城、栃木、千葉、群馬、埼玉などの野菜を市場価格で販売し、「安全な野菜」をPRした。
 鹿浜から訪れた主婦(50)は、「放射能は何十年後かに影響が出るかわからないが、それよりこの農家の人たちを助けたい」と多くの野菜を購入。政府などから専門的な数値ばかりが発表されていることに対して、「悪いイメージが独り歩きしている。他の病気にかかる確率の方が身近で高いと思う」。一緒に来ていた娘さん(24)も、「放射能は気にならない。気にしていたら何も食べられない」と冷静だ。
 都青果物商業協同組合北足立支所の杉本晃章副支所長は、「店に来るお客さんで安全性を聞く人もいるけど、ちゃんと説明している。対面販売だからできる。消費者が選ぶのは仕方ないが、店が仕入れないのでは、買いたい消費者に届かない」と話す。
 今回の盛況ぶりは、消費者のニーズと、それを先回りしようとした一部販売店の意識とのズレが、風評被害の一因となっていることを示しているようだ。
 会場ではこの他、試食コーナーや、放射性物質についての説明チラシ配布、募金活動が行われた。3000人が訪れ、8トントラック2台分が約2時間で完売した。

写真/10時の販売開始と同時に会場は大混雑=区役所前広場で