足立朝日

足立の接骨院院長 災害支援チームを立ち上げ被災地へ

掲載:2011年5月5日号
 東日本大震災で未曾有の被害をこうむった被災地での支援活動を、関口接骨院(千住龍田町)の関口勝仁院長が仲間に呼び掛けたところ、足立区の高林はりきゅう接骨院(中央本町)の高林孝光院長はじめ、埼玉・群馬・長野から高い技術を持つ7人の治療家が参集。「県境なき柔道整復師災害支援チーム」を結成し、4月23日(土)夜、車に治療用ベッドなどを積み込み、宮城県石巻市を目指した。
 約11時間後、現地の災害支援本部に到着した一行は、福島県大玉村総合福祉センターに移動。会議室に設けた治療所と避難所各部屋を回る2グループに分かれて即、治療を開始。捻挫などの怪我や身体を動かさなかったことによる運動機能低下など、被災者がきちんとした治療を受けないまま痛みに耐えながら生活していた実態を、次々と目の当たりにした。
 治療開始前は口が重く表情の暗かった被災者たちは、「絶対に治す!」という自信と技術力を持つ8人による誠心誠意を尽くした治療を受けたことで心を開き、それまでの心身の痛みや辛さなどを異口同音に訴えた。
 関口院長の要請に、足立区で唯一応えた高林院長は、「レベル7という言葉で、福島全体が危険と思われがちだが、避難所は安全だから避難所として存在する。僕は、国が危機的な状況だからこそ、国家資格を生かした支援をしたいと思った。僕たちの治療を必要とする被災者が沢山いることが判ったので、今後も活動を続けたいし、他の治療家にも一緒に活動してほしい」と呼びかける。
 青少年のスポーツ障害治療と関わり続けている高林院長は、被災地で巡り会った野球少年たちに筋トレやストレッチなどの指導も行った。「思い切り身体を動かせないでいる野球少年たちに『夢』を忘れず強く生きてほしい」と願うからだ。高林院長は、「被災地に関する情報やアドバイスをいくらでも提供したい」と話す。
 連絡先は、高林はりきゅう接骨院/足立区中央本町5‐14‐17/TEL3880・7775/メール

写真上/県境なき柔道整復師災害支援チームのメンバー(後列左から2番目が関口院長、前列左から2番目が高林院長)
下/福島県の避難所で治療中の高林院長(手前)と同志