足立朝日

羅針盤 Vol.13

掲載:2011年4月5日号
 「一人はみんなのために、みんなは一人のために」(One for all,all for one)は、ラグビーの合言葉のようになっている有名な言葉だが、今回の東日本大震災ほど、この言葉を身近に感じたことはない。連日伝えられる大地震、大津波、原発事故の映像や写真、活字は、我々を「居ても立ってもいられない」気持ちにする。
 それにしても、問題なのは東京電力である。大地震、大津波が予想されるような場所に巨大原発を建設したのは「国策」ではあろうが、東電幹部や政治家には、「想定外だった」などという言葉は使って欲しくない。「原子力」がどんなに危険なものであるかは、「広島」、「長崎」「チェルノブイリ」が証明しているではないか。地震国日本にあって、あらゆる可能性を想定するのは必要最低条件だ。「計画停電」しかり。なぜ、23区で「足立区」と「荒川区」だけなのか。「変電所単位にやっているので」と言うのが東電の説明のようだが、説明になっていない。
 「やさしい日本人」も、怒るべき時には怒らなければならない。(編集長)