足立朝日

今なら間に合う!緑のカーテンで夏を乗り切ろう 植物の力で身も心も涼しく

掲載:2011年6月5日号
 夏の電力不足に向けて節電は必須だが、心配なのが暑さ。その対策として今、緑のカーテンがブームになりつつある。茂った緑は室温の上昇を抑えてくれるだけでなく、見た目にも涼やかで、植物のパワーが心も豊かにしてくれそう。
 成長するまでに1~2カ月かかるので、始めるなら今! さぁ、癒しの緑作りに挑戦してみよう。


 5月23日(月)、区役所北館屋上のエコガーデンで開かれた、ゴーヤを使った緑のカーテンの実演講習会に集まったのは50人以上。区みどり推進課が企画した。
 講師の上田良就(よしなり)さんは、都市農業公園でも活動している園芸相談員。「子どものいる家は、一緒にやって欲しい。小さい頃から生き物に親しむことが大事。難しく考えないで気軽に」と上田さん。その指導をもとに、利点や作り方などを紹介する。

夏の味方ゴーヤ
 栽培がやさしいのはゴーヤ、アサガオ、フウセンカズラ。特に実が収穫できるゴーヤは、夏バテ防止の食材としてもオススメ。
 夏に不足しがちなビタミンCがレモンの約4倍含まれていて、しかも熱に強く、加熱してもほとんど失われないのでいろいろな料理に使える。また、カロテン、カリウム、カルシウム、マグネシウムなども豊富で、疲労回復にも効果がある。
 ゴーヤは買ってきたものも、なっているものも、しばらくすると黄色くなってしまう。傷んだのかと思ってつい捨ててしまいがちだが、上田さん曰く、「食べられる。オレンジ色になったら甘みが出る」とのこと。柔らかくなっているので、料理する時はそのつもりで。
 実だけでなく、葉にはこんな能力も。実と同じ匂いがするので、蚊よけになるそう。窓際に植えればまさに一石二鳥どころか、二石三鳥だ。

作り方
【用意するもの】
 ゴーヤの苗、土(鹿沼土と腐葉土、鉢底石)、プランター(できるだけ大きなもの)、園芸用ネット(10㎝角/ホームセンターなどで販売)、支柱(ネットを結ぶ場所がない場合)。
【手順】
①鹿沼土と腐葉土を半分ずつ、プランターの縁から1㎝下まで入れる。
②苗をポッドから取り出す。根が傷むので、土を落としたり苗を引き抜いたりせずに、根元を手で押さえながら逆さにして土ごと取り出す。
③そのまま、20~30㎝の間隔を空けて植える。
④支柱を結束バンドなどで固定し、ネットを張る。
⑤40~50㎝に成長したらツルの先を切ると、子ヅル(わき芽)がたくさん出てくる。切ったツルは挿し木にできる(肥料のない土に植えること)。ツルはバランスよく手で広げ、子ヅルは横に誘引する。
⑥水は暑い日は朝夕、下から水が出るぐらいたっぷりあげる。旅行中の水やりは、2㍑のペットボトル数本に、穴の空いたキャップをつけて土に差し込んでおくといい。
⑦花が咲いたら有機質肥料(牛フン、油かすなど)を月1回程度。プランターの場合、化成肥料は土を傷める。米のとぎ汁は、土が固まるので避ける。
 最初に咲くのは雄花ばかりなので実はならないが、しばらくすると雌花が咲くので焦らないように。実がなるのは、植えつけから2カ月ぐらい。これ以上大きくならない、と思ったら収穫しよう。

ゴーヤ料理
 ゴーヤは薄くスライス。卵と炒めてかつぶしを乗せるゴーヤチャンプルーや、豚肉との味噌炒めなど、簡単にできる。
 苦みを取ろうと、水に長くさらすとビタミンCが溶け出てしまう。苦いのが苦手な人は、沸騰したお湯にスライスしたゴーヤを10秒ほどくぐらせると、苦味がやわらぐ。トマトなどの夏野菜を刻み、一緒にポン酢で和えてサラダにしてもOK。

写真上/見た目にも涼しく、食べれば夏バテ予防になるゴーヤ
下/ネットと支柱は簡単に取りつけられる。やり方を説明する上田さん(右)