足立朝日

区の防災対策強化へ 第1回防災会議開かれる

掲載:2011年9月5日号
 平成23年度第1回「足立区防災会議」が8月24日(木)、区庁舎で開かれた。東日本大震災後、区が見直しを進めていた「地域防災計画」や「防災マニュアル」の修正方針と素案がまとまり、防災会議委員にはかるのが目的。
 委員は会長の近藤やよい区長をはじめ、区各部、町会・自治会、民生・児童委員、警察、消防、通信・交通など公共機関、都、地方行政機関、自衛隊などの代表、計61人。
 自治体によっては、国や都の動きを待って対策の修正に取りかかるところもあるが、足立区では空白期間を作らないよう区で出来ることから着手し、国と都の動向を見ながら反映させていく方針。「自分たちの区民を守る」という区の強い意志の表れといえる。
 内容を調整、検証した後、年度内に第2回会議を開き、暫定修正版として成案化する。
《初動時の対応を強化》
 修正案は、初動時の対応強化に重点を置いたものになっており、区の災害対策本部初動体制の見直し・強化、帰宅困難者対策の見直し、避難所機能の強化が3本柱。
 昭和38年作成の区地域防災計画は平成21年度にも修正されているが、今回新たに津波、液状化、長周期地震、停電、放射能等の事項を盛り込んでいる。
 初動マニュアルの素案は、発災後6時間の区組織の行動手順を定めたもので、災害対策本部、帰宅困難者対策、避難所、部別初動の4区分。
 特に従来の帰宅困難者対策「北千住ルール」では、北千住駅に乗り入れている鉄道会社と隣接の大型商業施設に対策を任せることになっていたが、3・11では機能せず、多くの人が駅前に溢れた。これを教訓に、区が担うべき役割を明確にし、都との訓練予定に合わせて検証していくとしている。
 また避難所に関しては、11月13日(日)に予定されている区総合防災訓練で実際に学校避難所を開設し、区民にも現実に即した対策を求めていく。
《津波に関して》
 会議に出席していた荒川下流河川事務所によると、東日本大震災発生時、水位の上昇は2時間半後に下流の南砂町で80㎝、上流の岩渕水門で60㎝、更に上流で40㎝が確認されている。計算では津波遡(そ)上の速度は時速25㎞という。
 堤防、水門に損傷など問題はなかったが、「大雨や水位上昇により変化があれば、連絡して欲しい」と話している。

写真/61人の委員が出席した