足立朝日

羅針盤 Vol.21

掲載:2012年5月5日号
 驚くほどの行動力である。それと、掛け値なしの他人を思いやる気持。先日、被災地支援で石巻へ行ってきた区内企業の若手の経営者、働く人たちの報告会(反省会の飲み会)に参加させてもらって、つくづくそれを感じた。
 一人一人に打算がない。困っている人がいたら助ける、という当たり前の感情を当たり前にこなす。言うは易く、行うは難しだ。
 「お金を送るだけでなく、現地へ出向いて我々ができることをやろうよ」と一人が言い出したら、みんなが賛成した。平日の2日間なので、行けない人は行けない。「そういう企業や人は、自分たちが作っている商品を出そう」。ネットや口コミで呼びかけると、あっという間に7社が商品を出した。炊き出し用の鍋類をレンタル提供してくれた会社もあった。
 炊き出しの料理を担った六町の「和風れすとらん・ゑの木」の榎本憶人店主(35)は「強行スケジュールだったが、現地の笑顔をもらえた時、すごく幸せな気持になれた」と語る。恐るべし足立の若者、である。 (編集長)