足立朝日

富士塚で葛飾北斎と出会う旅 千住でパワースポット巡り 千住文化普及会

掲載:2012年7月5日号
 富士塚などを辿って歩く第1回「千住のパワーポイントめぐり」が、6月9日(土)に行われた。
 江戸時代、富士山を信仰の対象とする「富士講」が庶民の間で広がっていた。富士塚は、実際に富士山に登れなかった人にも同じご利益が得られるように、五合目から上を模して富士山の火山岩などを使って造られたもの。
 都内に42基あり、足立区には8基(小さいものを含めると13基)、うち3基が千住に現存する。
 主催したNPO千住文化普及会の櫟原文夫理事長は、葛飾北斎の富嶽三十六景のうち、3枚が千住から描かれていることに着目。富士講の上部組織のうちの1つが千住にあり、北斎の版元が富士講だったことも調べた。
 現在、北千住は鉄道路線が集まり、5大学が開校し発展している。「今も昔も人が集まるのは、パワースポットがあるからでは。それが富士塚だと考えられる」とイベントを企画した。
 当日はあいにくの悪天候だったが、45人が参加。2班に分かれ、ガイドの丁寧な説明をイヤホンで聞きながら出発した。
 千住大川町氷川神社富士塚、千住神社富士塚のほか、富嶽三十六景が描かれた元宿や墨堤通りのポイントなどにも立ち寄り、参加者たちは、江戸時代の版画の風景と見比べて思いを馳せた。
 3時間近い旅の最後は、千住大橋。隅田川に最初に架けられ一度も流されることのなかった橋は、芭蕉の「おくのほそ道」の旅立ちの地であり、伊能忠敬が第1歩を記した史跡でもある。「千住大橋も、旅立ちの成功を得られるパワースポット」と櫟原さん。
 今後も新しい観光の切り口として、千住のパワースポット巡りを続けて行く予定という。
《次回の千住のパワーポイントめぐり》
 7月28日(土)、8月11日(土)午後3時(北千住駅西口交番前集合)、参加費500円(インカム、保険料)。詳細は左のまち歩きガイド養成講座の問合せ先まで。
《千住まち歩きガイド養成講座参加者募集》
友だちや家族に千住の街をガイドしてみませんか。NPO法人千住文化普及会主催(観光交流協会共催)で、千住の町を歩いて学ぶ講座が開かれる。毎回講座と、実際にまち歩きをして、江戸時代から育まれた身近な歴史や文化を学ぶ。
【日時】7月21日(土)、8月4日(土)、8月18日(土)、9月1日(土)、午後3~6時。全4回
【場所】東京芸術センター9階
【料金】1000円(資料代4回分)
【申込み】ハガキかFAXで申込む。〒120-0037 千住河原町21-8-702、NPO法人千住文化普及会事務局、FAX3868・3233【問合せ】TEL090・1431・1806大川

写真/富士塚で江戸のパワーを実感?=千住大川町氷川神社で