足立朝日

　93歳の教育研究者、大田堯（たかし）氏の挑戦を描いたドキュメンタリー映画「かすかな光へ」が、エルソフィアで上映される。
　和シネマ、 〝がきんちょ〟ファミリー、ＮＰＯ法人国際学校建設支援協会主催、足立区後援。
　大田氏は教育史、教育哲学を専攻、東京大学名誉教授、都留文科大学名誉教授、日本子どもを守る会名誉会長を務め、93歳の現在も講演や執筆活動にエネルギッシュに取り組んでいる。
　映画では、食糧のないジャングルで生き伸びた戦争体験、戦後、村の不良青年と生活を共にする中で心を通わせた学習体験、無縁社会と呼ばれる現代の中で目指す地域の再生など、人と人、人と自然とを結ぶ挑戦が、資料映像や教え子のインタビューなどを交え、語られている。
　「『違っていいんだよ』じゃなく『違う』んです」「子どもは親の私物ではない」――大田氏の数々の言葉が、今の時代を生きていくための大切なヒントを伝えている。
　「ものの見方や働き方、今の時代に合った生き方に変えていく能力が人間にはある、ちっちゃな光さえあれば変われるということを教えてくれる」と、和シネマの岡井和弘代表。ストーリーやドラマチックな展開はないが、「気付きが生まれれば成功。社会の仕組みの中にどっぷり浸かった人に見て欲しい。子育てしている若い人たちにも」。
　ＮＰＯ法人国際学校建設支援協会の石原ゆり奈理事も、「人間を自然の一部として捉え、変化を当たり前のものとして受け入れることを伝えてくれる」と話す。
〈かすかな光へ〉
　監督／森康行、詩「かすかな光へ」作・朗読／谷川俊太郎、ナレーション／山根基世、朗読／津嘉山正種ほか、配給／ウッキー・プロダクション
【日時】７月16日（月・祝）、午前＝９時半開場、10時開演、午後＝１時半開場、２時開演
【場所】エルソフィア４階ホール（梅島駅徒歩２分）
【料金】前売１０００円、当日１３００円
【特別企画】上映前に足立区出身のデュオ「和音（わいん）」のミニコンサート
【問合せ】TEL０９０・１２５９・３９３０岡井（平日正午～午後６時）、TEL６６９４・１４０１石原（平日午前11時～午後５時）

写真下／岡井さん