


ね(笑)」。『扉~IN&OUT~ツアー』を終えたばかりのズボンドズボン・ボーカルjunkoさんは明るくよく笑う。原動力は「メンバー一体となった音作り、ファンと一体になれたライブ」にあるという。自身も「目標だった」と語るライブハウス・SHIBUYA-AXを皮切りに、初の脱本州を果たしたライブツアーの成功で、ますますボーカルとしての自信を深めたようだ。
ズボンドズボンとは、人気アカペラグループRAGFAIRのメンバーの一人である土屋礼央さんとjunkoさんがツインボーカルを務め、齊藤真哉さん (G)、菅田直人さん(Dr)で構成される4人組。2000年に結成し、SOUL・R&Bをベースにした耳馴染みの良い楽曲と20代の心理を投影した歌詞、確かな歌唱力で着実にファンを増やしてきた。


『カフェ・クレール』(関原2-16-13℡3880-6645)にて
美声を披露してくれたjunkoさん
今回のニューアルバム『扉』作りは、今年2月、Bassメンバーの脱退で味わった喪失感をはじめとしてメンバー全員が抱いていたネガティブな感情をぶつけ合うところから生まれたという。メンバーが「私はバンドに必要なのか」といった悩みをぶつけ合い、互いの人生観を語り合いながら曲作りが進んでいった。「音楽は人生に直結するもの。だからこそ喜怒哀楽すべてをメンバー間でぶつけ合った」とjunkoさん。『扉』は、土屋さんが生み出した「キーワード」に彼女が肉付けをしていく歌詞が特徴的な全10曲。―今ドアを開けたら意気込んで飛び出せる あとちょっとの自分に手を振って―など、26歳等身大の想いが全編に散りばめられている。そして、10月12日に発売されるとたちまちヒットチャートを駆け上り、10月24日付オリコンインディーズアルバム週間チャート1位になる。「たった1週だけでしたけど(笑)」。謙虚に語るjunkoさんだが、その顔には快挙を成し遂げた喜びが満ちあふれていた。

本語の歌を披露。その美声はたちまち大学中の話題になった。日本に帰ってくると「知り合いが女性ボーカルを探している」と聞き、参加。それがズボンドズボンだった。接客のバイトで鍛えた明るさに加え、親子三代チャキチャキの江戸っ子気質、リハーサルには千住の槍かけだんごなどを持参する気遣い、メンバー誰もが一目置く作詞力。junkoさんは自他共に認めるクラス委員長的存在として、ズボンドズボンに馴染んでいった。 よく聴く音楽はマイケル・ジャクソン、マドンナ、オリジナル・ラブ、ローラ・ニーロ、ジュリー・アンドリュース、そして美空ひばりさん。「ひばりさんはストーリーを込めて歌える偉大な歌手」と讃える。情感を大事にする彼女ならではの言葉だ。
将来の夢は「私たちの歌を聴いて今まで気がつかなかったことに気がついた、できなかったことができた、というきっかけになれるシンガーです」。実際に『扉』を聴いたファンから「不登校だったけど、勇気づけられて学校へ行くようになった」という反響があったという。
「そういう反応が私たちの支え・原動力になる!」junkoさんはうれしそうに笑った。

junkoさんが「ファンに感動させられた!」と語る
『扉~IN&OUT~ツアー』


左から土屋礼央さん(Vo)、 2005年10月12日
junkoさん(Vo)、齊藤真哉さん(G)、 発売 『扉』¥3,000(税込)
菅田直人さん(Dr) HPではブログも更新中