脚本アーカイブズ 次のステップへ
足立区と日本放送作家協会の連携事業として行われてきた「日本脚本アーカイブズ特別委員会」による脚本・台本収集とデータ化作業が、今年3月31日をもって7年間の活動を終了した。当初、手探り状態でスタートした同委員会は、南川泰三同協会理事から香取俊介理事が委員長として引き継いだ。NHK報道局外国放送受信部記者として活躍後、番組制作局ドラマ番組班を経て、脚本家として独立。『山河燃ゆ』『さすらい刑事』『私生活』などの作品の他、異文化摩擦をテーマにしたノンフィクションを執筆。
シアター1010前館長であった故・市川森一同協会会長が、理事長時代に放送界を代表して、散逸しつつある脚本・台本を後世に残す必要性を国会の総務委員会で訴えて以来、文化振興に意欲的な足立区が、その活動をバックアップ。平成17年10月に学びピアに準備室を開設後、本来の作業と併せて同協会の著名・新進放送作家らが「脚本講座」「子どものための夏休み文章講座」など多くの文化事業を、足立区で展開してきた。中には地域に根付いた落語会を、個人で継続している例もある。
全国から収集された5万点以上の脚本・台本の中には、テレビドラマ史上、記念碑的作品といわれる『私は貝になりたい』、『太陽にほえろ!』全巻、向田邦子の初期台本など、お宝といえる数々の作品が発見され、関係者一同驚喜した。その間、長尾真・国立国会図書館長、吉見俊哉・東京大学副学長らとも「脚本アーカイブズ」の在り方を研究。昨年5月には、文化庁と国会図書館との間で『我が国の貴重な資料の次世代への確実な継承に関する協定』が結ばれた。これにより「脚本アーカイブズ推進コンソーシアム」(代表理事=山田太一・脚本家)が立ち上がり、NHK、民放連、放送人の会、日本放送作家協会等放送に関する諸組織の代表が理事として就任。
同コンソーシアム理事としてさらに活動を継続する香取前委員長は、感慨深げに話す。「1980年代以前の脚本・台本は、映像が既に無くなっている場合が多く、内容は脚本・台本によって知るのみです。これら日本の貴重な文化資源は、将来的には国が主体となって収捨・保存・管理をしていくことが望ましく、コンソーシアムではその点についても建設的な議論を重ねています。これまで多くのバックアップをしてくださった足立区には、委員一同、心から感謝しています。今後も、私たちが足立区のためにできる文化事業を継続し、区民の方々との交流を深めていければと思います」
近い将来、公的機関の運営する「脚本アーカイブズ」が誕生する時、その陰には足立区の助力があったことが語り継がれていくだろう。
足立区と日本放送作家協会の連携事業として行われてきた「日本脚本アーカイブズ特別委員会」による脚本・台本収集とデータ化作業が、今年3月31日をもって7年間の活動を終了した。当初、手探り状態でスタートした同委員会は、南川泰三同協会理事から香取俊介理事が委員長として引き継いだ。NHK報道局外国放送受信部記者として活躍後、番組制作局ドラマ番組班を経て、脚本家として独立。『山河燃ゆ』『さすらい刑事』『私生活』などの作品の他、異文化摩擦をテーマにしたノンフィクションを執筆。

全国から収集された5万点以上の脚本・台本の中には、テレビドラマ史上、記念碑的作品といわれる『私は貝になりたい』、『太陽にほえろ!』全巻、向田邦子の初期台本など、お宝といえる数々の作品が発見され、関係者一同驚喜した。その間、長尾真・国立国会図書館長、吉見俊哉・東京大学副学長らとも「脚本アーカイブズ」の在り方を研究。昨年5月には、文化庁と国会図書館との間で『我が国の貴重な資料の次世代への確実な継承に関する協定』が結ばれた。これにより「脚本アーカイブズ推進コンソーシアム」(代表理事=山田太一・脚本家)が立ち上がり、NHK、民放連、放送人の会、日本放送作家協会等放送に関する諸組織の代表が理事として就任。
同コンソーシアム理事としてさらに活動を継続する香取前委員長は、感慨深げに話す。「1980年代以前の脚本・台本は、映像が既に無くなっている場合が多く、内容は脚本・台本によって知るのみです。これら日本の貴重な文化資源は、将来的には国が主体となって収捨・保存・管理をしていくことが望ましく、コンソーシアムではその点についても建設的な議論を重ねています。これまで多くのバックアップをしてくださった足立区には、委員一同、心から感謝しています。今後も、私たちが足立区のためにできる文化事業を継続し、区民の方々との交流を深めていければと思います」
近い将来、公的機関の運営する「脚本アーカイブズ」が誕生する時、その陰には足立区の助力があったことが語り継がれていくだろう。