足立朝日

●犬 人と出会う 盲導犬 生物園

掲載:2005年12月20日号
シリーズ最終回
 区生物園の人気が高く、リピータも多い「犬 人と出会う」。人間のために働く犬(聴導犬・セラピー犬)を招いてその仕事を紹介してきたが、シリーズの最後は「盲導犬」。11月27日、盲導犬協会からイレーネというラブラドールレトリバーの2歳半の女の子がやってきた。
 盲導犬は産まれたらすぐに「パピーウォーカー」という1年間限定で飼い主になってくれる人の元で、人間社会のルールやマナーを学んでから、日本盲導犬協会に戻って訓練を始める。 盲導犬を育てるにはとにかく遊んで、褒めて、名前を呼んであげることだと神奈川訓練センターの山口義之さんは言う。
 「叱るときに名前を呼ぶと、名前はいやなものだとすり込まれ、名前を呼んでも来なくなります」。
 目が不自由な人が歩くのは大変なこと。小学生の女の子に目隠しをして、杖だけで歩き、そのことを体現してもらった。 「現代は糖尿病で目が見えなくなる人がたくさんいます」と山口さん。目隠しをして、盲導犬に誘導されるだけでもハラハラドキドキの、村田莉菜ちゃんのお母さんは「盲導犬に引っ張ってもらっていても歩くのが大変だし、怖い。これはやってみないとわからない。良い経験をしました」と感慨深げ。
 「盲導犬と使用者を繋いでいるハーネスというリードを付けている犬を呼んだり、触ったりしないでください。犬はお仕事をしています。盲導犬も犬なのです。楽しいこと、おいしいものの方に犬が行ってしまうと、目の不自由な方が道に迷ってしまうことがあります」と小学生にもわかりやすく注意を促した。
 「今回は興味深く、意識が高そうな方たちばかりだったので、利用者と一緒に来れば良かった。一番伝えたいことは、この犬たちによって利用者は社会に出られるということです」と盲導犬の大切さを訴える山口さんは話す。


利用者の気持ちを体感する
村田莉奈ちゃん