足立朝日

東和在住
理学療法のカリスマ足立区に在り

　国内外に熱狂的なファンを持つ理学療法士であり、医学博士でもあるカリスマが、足立区に在住している。その名は「福井勉」教授。保健医療技術学部を有する文京学院大学の学長補佐、教授、同大学院教授、同スポーツマネジメント研究所所長などの要職を兼ねている。
　そもそも理学療法士とは、国家資格を持つリハビリテーションの専門家で、通称ＰＴ（Physical Therapist）と呼ばれる医療従事者だ。福井教授の高度な技術を求めて、著名なスポーツ選手たちが人目を避けて研究室に通う。例えば１本の指先や、鼻にわずかなテーピングを施すことで、身体の柔軟性を回復させるテクニックはまるで魔術だ。
　「人の動きの探求はとても面白く、何故そのように人は動くのか、未だに疑問だらけですが、だからこそ面白いんです。これからも、その疑問のひとつでも解ることができれば何よりも幸せです」と語る。昨年10月には、千寿桜堤中学校２年生の３人が、足立朝日新聞での職場体験の一環で、記者として福井教授を取材。その飾らない人柄と、高度な知識を解り易い言葉と楽しい例で伝える姿勢に、「私たちも福井先生の授業を受けたい！」。事実、足立区の小学校・中学校で、運動部所属の生徒対象講習会などが実現したら、怪我の予防や技術向上に大きく貢献することだろう。
　大学院保健医療科学研究科の付属機関である「同スポーツマネジメント研究所」では、福井教授は企業からの委託研究や、アンダーウエアや靴下のような製品開発を実施。さらに、スマートフォンで人の全身を撮影し、姿勢を点数化するソフトウエアの開発も。また、産業総合研究所と共に、治療の効果判定や予後予測のための研究も行っている。動作解析を必要とするアスリートやダンサーなどには、フォーム分析をフィードバック。
　今後は「新しいテーピング」に関する著書を英語で著し、世界の人々に知識を伝えたいと望む。現在育成中のＰＴの卵たちが、よりグローバルに活動できるよう、日本と海外を往復し、現地校や病院などとの交渉にも余念がない。その「学生思い」が顕著に表れるのは、学位記授与式。泣き腫らした目でピアノを伴奏する姿に、卒業生は福井教授との出会いを喜び、何よりも誇りに思う。