足立朝日

●「しあわせなモミの木」

掲載:2006年1月5日号
感動の区民参加舞台
 シアター1010で12月23日~25日、区民参加ミュージカル「しあわせなモミの木」が上演された。初日の1週間前には、マルイ2階ペデストリアンデッキ前で、劇中のコーラス隊がミニコンサートを開催。芝居の衣装を着た子どもたちが澄んだ歌声を披露し、集まった買い物客らに公演をPRした。
 本番は、子どもたちの素直な演技や、唯一プロの出演者・田上ひろし氏が演じる老人と街の人々とのあたたかい心の交流、ダンスや歌など数々の場面が観客の胸に迫った。
 普段あまり観劇しないという年配の女性2人は、観終わった後、「感動して涙が出た」「いいクリスマスをここで過ごさせてもらった」と、笑顔で目を潤ませた。上司の晴れ姿に「会社ではいつも静かな人なのに、別人みたい」と驚いている人も。出演者たちは「やってよかった」「楽しかった!」と、これまでの長い稽古の集大成に、晴れやかな笑顔。
 演出の原田一樹氏は「このミュージカルに出たことを忘れないで欲しい。名の無い役でもちょっとだけでも、違う人生を生きたことが大切。これをきっかけに他の人の人生にも思いやりを持って」と出演者全員に呼びかけ、区民参加舞台の意義を力強く語った。


舞台の上で出演者たちの笑顔が輝く