足立朝日

●大師の景観とまちづくり講演会盛況

掲載:2006年1月5日号
周辺マップも完成
 「西新井大師の景観とまちづくり講演会」(主催=同研究会、同実行委員会)が、昨年12月11日、大師駅前の青少年センターで行われた。
 西新井大師周辺は、平成元年に足立区の景観重点地区のひとつに指定され、平成6年に「同周辺地区景観まちづくり研究会」が発足。定期的な研究会を進めてきた。今回は、「まち歩き」などのワークショップを重ねたまとめを披露。
 田口行彦委員長のあいさつ後、清水正雄・同研究会副会長が、千住の蔵をアトリエに持つイラストレーター・なかだえりさん作成の「西新井大師周辺マップ」を発表。講演は3部門で、まずは酒井清仁執事による「西新井大師と厄除け」がテーマ。「厄の概念は中国から伝わり、人間の生命力が衰えること」などの他、「厄落としは門前周辺のお店で」とPRを兼ねて来場者を沸かせた。多田文夫・郷土博物館学芸員は、「西新井大師周辺の歴史と景観資源」をテーマ。「家康は、1613年に駿府で行われた新義真言宗の御前論議に、学問寺院としての地位にあった『武州西あらい惣持寺』を招聘。家光は、大師を御膳所に指定し、寺領20石を与えた」などの内容に、参加者一同聴き入った。
 千住地口行灯保存会のテーマは、「千住宿の伝統の保存と地口行灯づくり」。地口行灯づくりの老舗・絵馬やさんとの連携で、地口行灯を復活させた経緯などを語った。清水幹雄・同研究会副会長の閉会あいさつ後、一同は大師門前の入り口へ参集。江川彰一実行委員の司会で、関係者によりクス玉が割られた後、門前の各店へ設置された地口行灯に一斉点灯された。一行は、境内ほか大師周辺の行灯による景観を味わいながら散策を楽しんだ。


門前に輝く地口行灯