足立朝日

「市川森一脚本賞」創設 大島里美さんが受賞

掲載:2013年5月5日号
 シアター1010前館長で、元日本放送作家協会理事長の市川森一氏が逝去してから、早1年5カ月。ドラマの活性化、放送文化の向上を願った同氏の遺志を継ぎ、ドラマ制作活動を共にしたプロデューサーらが発起人、親交を結んだゆかりの著名人が理事・監事・評議員となり、「市川森一脚本賞財団」(福地茂雄理事長)を設立した。
 その記念すべき第1回脚本賞は、『恋するハエ女』(NHK名古屋2012年11月期、出演=ミムラ、筧利夫ほか)を手掛けた大島里美さんに贈られた。同賞は、昨年放送されたドラマの中から特に優れた作品を、現役の5人のプロデューサーが選考。その過程で、大島さんの破天荒なチャレンジ精神が高く評価された。
 4月22日、授賞式とパーティーが千代田放送会館(千代田区紀尾井町)で開かれ、200人近い関係者が出席。福地理事長からは賞金、市川美保子理事(市川森一夫人)からは、市川氏が愛した森の木々の葉をかたどったトロフィーが大島さんに贈呈された。併せて、長崎県知事賞、長崎市長賞、諫早市長賞の授与もあり、中村法道長崎県知事が代表で激励の言葉を贈った。大島さんは「身の引き締まる思い。とにかく面白い作品を書きたかった!」と挨拶。会場には同作品に出演した俳優の筧利夫さんも駆けつけ、楽しい挨拶で場を盛り上げた。市川夫妻の娘・温子さん、実妹で放送作家の市川愉味子さんも陰で授賞式を支えた。美保子夫人は「ドラマ界を元気づける脚本家を育てたいと言っていた市川の思いが叶った賞。足立区の皆様にも応援していただけるとありがたいです」とメッセージを寄せた。

写真/左から同作品演出の福井允広ディレクター、市川夫人、大島さん、筧さん