足立朝日

羅針盤 VOL.28

掲載:2013年6月5日号
 今年の5月は、暑くもなく寒くもなくの初夏らしいさわやかな日が多かった。緑が日に日に濃さを増し、花々が一斉に咲き揃っていくのは、本当に心うれしいものだ。
 青和ばら公園(青井)のバラは、イベントがあった日(5月18、19日)はピークで、その色彩の見事さにうっとりした。バラは、あでやかで、好きな花の一つである。 
 花のイベントは主催者泣かせだ。今年は、梅が寒さで遅くなったのに対し、桜は早咲きとなり、イベント主催者をあわてさせた。 
 さて6月。菖蒲そしてアジサイの季節。梅雨入りしたが、雨にけぶる菖蒲、アジサイはまたおかし。「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉があるが、辞書には、「『アヤメ』も『カキツバタ』も同科の花で区別しにくいところから、どれも優れていて選択に迷うこと」から、ズバリ「優劣のつけ難い美女が多く並ぶことのたとえ」(岩波国語辞典)とある。
 しょうぶの名所として区内にはしょうぶ沼公園があり、お隣の葛飾区には堀切菖蒲園、都立水元公園もある。さて、「いずれアヤメか……」の言葉を胸に、6月も街歩きに出るとしよう。