足立朝日

●4月から小中一貫校

掲載:2006年2月20日号
興本小児童が扇中で授業体験
 今年4月、興本小学校と扇中学校による小中一貫教育校「興本扇学園」の開設に向け、興本小の4、5年生が1月23日と26日、それぞれ扇中での交流授業を体験した。
 一貫校開設後は、興本小の5、6年生(現4、5年生)がお隣の扇中で学ぶことになる。クラス担任が授業を行うため基本的な内容は変わらないが、1コマの授業時間が小学校の45分から中学校の50分に延長。休み時間や給食時間も変わる。それらを含めた環境に慣れるための予行演習として、12月に続き2回目の中学登校となった。足立区初の試みに、23日は内藤博道教育長ら区関係者が多数視察に訪れた。
 この日実施された5年生の授業は、扇中の教員が英語、保健体育、音楽を担当した。英語はビンゴゲームなどを使った楽しい内容で、子どもたちは初めて習う単語にも抵抗なく積極的に参加。「英語も音楽も面白かった!」「算数は同じ先生だった」と、授業の感想を元気に話した。
 受け入れる側の反応はどうだろうか。扇中の本田邦雄校長によると、隣室の3年生は自分たちの授業に集中、楽しみにもしている様子という。長年の地域ぐるみの交流によって、両校の子どもたちは、幼い頃からの仲間同士とあって、抵抗感はほとんどないようだ。
以前から小中一貫教育の必要性を感じていたという本田校長は、「職員同士の協力が土台。職員も楽しみにしていた。地域の下地がたくさんあるからこそ、挑戦する勇気が生まれる」と意欲的に話す。
 小中一貫校に期待されるのは、小中の間の段差を取り除くことで9年間をスムーズに見守る、学習内容の変化をゆるやかなものにできることなどがある。中学に入り、急に難易度の上がった学習について行けずに、挫折する子どもは確かに多い。が、逆に大きな節目がなくなることで、切り替えができないデメリットもある。
足立区では平成22年に新田地区の小中一貫が決まっており、新たな学校政策にかける学力向上と健全育成の期待は大きい。


習っていない英単語もゲームで楽しく