足立朝日

●男たちのボランティア2006

掲載:2006年3月5日号
心の交友深めよう
各ブースで活動内容なども紹介

 約680万人もの団塊の世代(1947~49年生まれ)が2007年に定年退職を迎える。「定年後、犬も嫌がる5度目の散歩」は定年後の男性を揶揄(やゆ)した句だ。「男性の皆さん、団塊世代の皆さん、ボランティアしませんか?」と呼びかけ「男たちのボランティア2006」~扶(たす)けあう地域づくりで生涯現役~(区社会福祉協議会・区・区ボランティア連合共催)が2月18日、学びピア21で開催された。
 第一部は能楽などの日本の伝統的なものの普及活動を推進する「ふるさと学舎」の荒昌二郎さん、パソコン講習を行う「ITネットワーク東京」の伊藤洋一さん、視覚障害者への理解を深める活動や冊子作りを行う「あしだちにじの会」の森川政之衛さんがボランティア活動を始めたきっかけや、ボランティアをするうえでの金銭的な問題などをディスカッションした。
 ディスカッションでは「ボランティアとはなんぞや」という質問も。荒さんは「仕事でも同じですが人間関係が第一。技を鼻にかけていては誰もついてこない。人間の触れ合いを一緒に楽しもうという姿勢です。無償が人の心の和が繋がるのではないか」。「先生と呼ばれるとつい、ソノ気になってしまいがち。相手からの見返りを求めない」と伊藤さん。森川さんは「しょせんボランティア。時間があるときに気楽にやればいい」と気負いがない。
 障害のある子どもの地域活動を推進する福祉系。施設に出向いての演芸披露などの文化系。パソコンの講習会を行うIT系。地域の花壇作りや学童保育室の運営をしているまちづくり・教育系などの17団体が参加。各ブースで活動内容を紹介、交流会も行われた。
 視覚障害者の森さんは「障害者はかわいそう」とか「気の毒ね」と言葉をかけられることがある。不自由だけど幸せです。同情的なことは言わないでと苦言を呈する。「できることをできるときにできる範囲でやることがボランティアの定義」と区ボランティア連合会・会長、糸井三恵子さんは話す。


「あしだちにじの会」のブース。
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