
蒲原中学校(坂口好和校長)に念願の和室が完成し、土曜スクール(開かれた学校づくり協議会主催)の茶道教室などで利用されている。
柔道室だった部屋に一歩入ると、まるで屋外の茶室のような風流な格子戸の門が出迎える。その奥が、竹や木などを生かした本格的な和室になっている。これらは全て手づくり。用務主事の山口喜代司さん(58歳)が中心となって、岡本靖さん、角谷眞智子さんの3人で、通常勤務と並行して作業にあたった。
材料は廃材や統合校の再活用品で無駄がない。立派な床の間の横柱は校庭の枯れた檜、門の屋根は竹ボウキを使うなど、随所に工夫がされている。畳は卒業生から、茶釜は地域の人から寄贈されたもの。パーテーションで仕切られた隣には、教育相談室も設けた。山口さんは「楽しかったので苦にならなかった」と話す。
茶道教室は、以前は美術室の床にゴザを敷いて使用していたため、指導の表千家不白流・増田柳正さんも、この立派な茶室の完成を喜ぶ。進学後も継続参加している卒業生は、「前と全然違う」「素敵」「すごく楽しい」と、お茶をたてる心地よい緊張感を堪能していた。
開かれた学校づくり協議会の斉藤千香子さん、岩崎紀子さんは、坂口校長と地域の力強い結束でますます充実する土曜スクールに「学校に来れない子も参加して、きっかけにして欲しい」と期待を託す。

楽しくお茶を学ぶ生徒たち

完成して嬉しいと山口さん