足立朝日

羅針盤 VOL.37

掲載:2014年4月5日号
3月、4月は別名「挨拶の季節」「泣き笑いの季節」と言われる。学校では入学、卒業。会社では就職、退職、転職、異動。人間が動き、それに伴って「挨拶」が飛び交い、泣いたり、笑ったりの感情が爆発する。
 物事の始めや終わりを表現する言葉、ことわざも多い。「会うは別れの始め」(会者定離)、「始めよければ終わりよし」「立つ鳥跡を濁さず」「始めは処女の如く、終わりは脱兎の如し」「去るものは日々に疎し」……。 挨拶の中で、「今度一杯やりましょう」とか「暖かくなったらぜひ一献」みたいな話は山ほどあるが、この辺りの「挨拶」が意外とやっかいだ。「誠実」「几帳面」にこの「約束」を果たそうとしたら、身が持たない。 
 引越し通知などの最後に「お近くにお出掛けの際には、ぜひお立ち寄りください」と書くのも「お決まり言葉」で、実行した人を余り聞かない。いずれにせよ、この時期はすべてこの言葉で決まり! 「初心忘るべからず」。(編集長)