

建部巣兆「芭蕉像」
千住が旅の起点
芭蕉は弟子の曾良とともに元禄2年(1689年)5月16日、深川(江東区)の芭蕉庵から船で隅田川を上り、千住宿に上陸。多くの弟子たちに見送られて、みちのくへと旅立った。この時別れを惜しんで詠んだのが、紀行の最初の句「矢立初め」の『行く春や鳥啼き魚の目は泪』。矢立とは携帯用の筆記用具のこと。千住大橋公園には石碑が、国道4号を挟んで足立市場横の「千住宿奥の細道プチテラス」には芭蕉像が建てられている。
奥の細道の原文『人々は途中に立ち並びて、後影のみゆるまではと、見送るなるべし』から、人が見えなくなるまで見送ることができた、当時の日光街道の様子が伺える。
旅の日
全国のライターで作る「日本旅のペンクラブ」が5月17日を「旅の日」に制定。会長はなんと松尾芭蕉。千住の歴史と魅力を広く伝える活動している「千住大賑い会」(岡本行央代表)は、毎年この日に日光街道などを歩くイベントを行っている。

今回、サミットでは初めて、船で芭蕉庵のあった江東区高橋桟橋から千住大橋桟橋まで船で約1時間、芭蕉が通ったルートを体験する「旅立ち体験」が実施される(参加募集は終了)。
上陸後は、大橋公園から旧日光街道をほんちょう公園まで約2㎞歩いて、芭蕉の足跡を辿る。船には、大賑い会の岡本行央代表、櫟原文夫さん、相川謹之助さん、鈴木恒年区長が芭蕉に扮して乗りこみ、当時に想いを馳せる。
中でも相川さんは「旅の日」に芭蕉に扮して歩いている芭蕉石像と芭蕉に扮する「千住の芭蕉」。ウォーキングにもそのまま参加するので、相川さん キャリア6年の堂に入った芭蕉ぶりをお楽しみに。
芭蕉の衣装
この芭蕉の衣装をプロデュースしたのは弥生ファッションデザイン専門学校(千住旭町)。櫟原さんから話を持ちかけられ、「軽い気持ちで受けたら、意外に難しかった」と内藤峯夫校長は苦笑する。
芭蕉の絵は何枚か残っているが立ち姿のみで、着物製作に必要な明確な資料はないに等しい。櫟原さんと準備に1カ月費やした。芭蕉生誕の地・伊賀の芭蕉記念館にある衣装を借りるなどして、僧の着る法衣を基本に製作することに。「僧侶は関所を通りやすかったようだ」と内藤校長。ところが、法衣は特殊な形のため、専門店のみが作っている難物。予算面など素材選びにも苦労し検討の末、4組を完成させた。

大橋公園にある矢立の碑
イベント
5月13日(土)
◆◇基調講演 シアター1010・11階ギャラリー、午後2時~3時半、福島泰樹氏(法昌寺住職)
◆◇投句大会表彰式(募集は締切) 産業芸術プラザ21階天空劇場、午後1時半~3時
5月14日(日)
◆◇道中体験(雨天決行)大橋公園(千住橋戸町31)から千住市場を経由して本町公園(宿場町通り)までのウォーキングツアー、途中勝専寺に立ち寄る、午前11半(予定)
◆◇赤門寺ぼろ市 勝専寺、ミニコンサート、フリマ、骨董市、キリンビール試飲販売会など、午前10時~午後4時、13日・14日
◆◇スタンプラリー 千住周辺4会場、午前10時~午後4時、4地点で押したスタンプをゴールのシアター1010で景品と交換
◆◇物産展 シアター1010・11階ギャラリー、午前10時~午後4時、靴、かばんの展示販売ほか友好自治体の物産展
★北千住西口美観商店街振興組合では、「奥の細道―松尾芭蕉―あなたが創る千住(1010)の俳句」をテーマに募集
【投句期間】5月21日迄
【投句規定】俳句、千住の地名を入れたもの
【投句方法】各加盟店で配布の応募用紙・投句箱で行なう
【審査方法】区教育委員会文化課を交えて審査
【入選作品】特選1人(区共通商品券1万円)、優秀作3人(同5千円)、佳作10人(同千円)
【発表方法】ときめき6月15日号、中旬頃各店舗掲示
【問合せ】℡3881・8190桜井