
都理容生活衛生合同組合の千住支部(内村光一支部長)と足立支部(磯昭作支部長)が4月18日、区と災害時における理容サービス提供に関する協定を結んだ。
同組合では理容業を地域密着型産業として位置づけ、社会貢献を目的に「福祉理容構想・五カ年計画」を立てて、積極的に福祉事業に取り組んでいる。今回の協定も組合員の発案によるもの。千住支部の内村支部長は「やっと実現した。これを起点に災害時には避難所に行き、シャンプーや散髪などで人々のストレスを和らげることができる。我々の持っている人を喜ばせる天職が役に立つ」と意欲的に話す。
福祉事業に関する業務協定と介護施設及び住宅介護における業務協定も今後結ぶ予定で、その準備の一環として17日、ケア理容師認定の講習会が学びピアで行われた。
ケア理容師は、介護(介助)に関する基礎知識や体験などの研修を修了した者に認定証が渡される仕組み。千住・足立両支部ではこれまでも高齢者や身障者を対象に訪問理容を行ってきたが、同制度の導入により更に充実した福祉活動が可能になる。
この日の千住支部の講習には70人が参加。まずは社会福祉協議会の講師が福祉サービスについて講義した。続いて行われた疑似体験では、背筋が伸びないベルトと重りを体につけ、高齢者の状態を体験。2人1組になり、相方に手を引いてもらいながら階段を上り下りした。飯坂昌弘さん(64)は「腰が曲がった状態がキツイ」、長谷川功さん(55)は「こういう体験をすると年寄りのいたわり方がわかる。学校の授業に入れたらいい」、富坂光子さん(35)は「階段は下りる方が怖い」と、いずれも驚いた様子。他にも白内障を体験する視野縮小メガネや車椅子試乗などがあり、参加者たちは高齢者や障害者の不自由さを実感し、午後からの実践研修に取り組んだ。

背筋が伸びないベルトと重りで
高齢者の状態を疑似体験