障害のあるわが子が力をくれた
あたたかくどっしりと構えた笑顔は、この人に任せれば大丈夫、という安心感を与えてくれる。
3人の母であると同時に、足立区の障害福祉の母親としての役割を長年担ってきた。あかしあ園や就労支援センターなど、障害者のための8カ所20事業を運営する「あいのわ福祉会」は、昨年12月に設立20周年を迎えた。17年間務めた理事長を、今年3月に退任。前身の「足立区肢体不自由児者父母の会」会長就任以来、30年間尽力した功績に、先日、区から感謝状が贈られた。
「元気なエネルギーがあるうちに、次に渡せてよかった」とすがすがしい。今は相談役として新理事長をサポートし、業務の充実と運営に気を配る。
重度重複障害者の養護学校卒業後の受け皿として始まった小規模施設運営から、法人化への道のりは想像以上に困難の連続だった。障害者が住みなれた地域の中で安心して暮らせることを第一に、地域に開かれた施設を目指し、商店街や町会・自治会、区内の様々な団体の助力を得て、仲間とともに一歩一歩進んできた。
初めての子・英子さんが障害を持って生まれたことは、大きな衝撃だった。最初は途方にくれる毎日だったが、娘のためにできることは全てやった。スプーンを投げ出す手に手を添えて、何千回、何万回と根気よく続け、小さな成長に励まされた。今では「どんな困難も、その時の衝撃に比べたら小さい」と思える。
「親が諦めたら、そこで終わり」。子育ても法人の運営も、動く理由はこの一言。当たり前のようで、その意味は重い。
運営では新たな課題も多い。施設は同性介護だが、男性スタッフの確保が難しい。「本当にやろうという人でないと長続きしない」。障害者の高齢に伴う二次障害、親の高齢化もある。
6年前から下の2人の子どもが学んだ渕江小で学習ボランティアを始めた。「先生になりたかったので、それを実現できて楽しい」。バイタリティは尽きない。
「今年の秋で45歳」。そう話す声に感慨が響く。45年前、植物人間になる可能性を告げられた子どもは、障害はあれど明るく元気に育ち、母と手をつないで歩く。「障害のある子の生命力が私を元気づけてくれた。世界がすごく広がったし、彩りをつけてくれた。英子に感謝しなくちゃ」。笑顔に深く豊かな愛情が溢れる。
あたたかくどっしりと構えた笑顔は、この人に任せれば大丈夫、という安心感を与えてくれる。

「元気なエネルギーがあるうちに、次に渡せてよかった」とすがすがしい。今は相談役として新理事長をサポートし、業務の充実と運営に気を配る。
重度重複障害者の養護学校卒業後の受け皿として始まった小規模施設運営から、法人化への道のりは想像以上に困難の連続だった。障害者が住みなれた地域の中で安心して暮らせることを第一に、地域に開かれた施設を目指し、商店街や町会・自治会、区内の様々な団体の助力を得て、仲間とともに一歩一歩進んできた。
初めての子・英子さんが障害を持って生まれたことは、大きな衝撃だった。最初は途方にくれる毎日だったが、娘のためにできることは全てやった。スプーンを投げ出す手に手を添えて、何千回、何万回と根気よく続け、小さな成長に励まされた。今では「どんな困難も、その時の衝撃に比べたら小さい」と思える。
「親が諦めたら、そこで終わり」。子育ても法人の運営も、動く理由はこの一言。当たり前のようで、その意味は重い。
運営では新たな課題も多い。施設は同性介護だが、男性スタッフの確保が難しい。「本当にやろうという人でないと長続きしない」。障害者の高齢に伴う二次障害、親の高齢化もある。
6年前から下の2人の子どもが学んだ渕江小で学習ボランティアを始めた。「先生になりたかったので、それを実現できて楽しい」。バイタリティは尽きない。
「今年の秋で45歳」。そう話す声に感慨が響く。45年前、植物人間になる可能性を告げられた子どもは、障害はあれど明るく元気に育ち、母と手をつないで歩く。「障害のある子の生命力が私を元気づけてくれた。世界がすごく広がったし、彩りをつけてくれた。英子に感謝しなくちゃ」。笑顔に深く豊かな愛情が溢れる。