足立朝日

安藤昌益などの銘板を千住に設置

掲載:2006年5月20日号
◆◇安藤昌益などの名板を千住に設置
 千住宿は松尾芭蕉を始め文化人との縁が多く、その痕跡が残っている。作家・故司馬遼太郎が「日本が世界に誇りうる唯一の社会思想家」と評した江戸の医師・安藤昌益の著作『自然真営道』が、千住仲町の橋本家から発見されたのもその一つ。
 また、明治大正期の日本経済史学の創始者・内田銀蔵博士は江戸初期から続く同町の川魚問屋「鮒与」の長男で、千寿小学校を卒業。戦前戦後のベストセラー『学生に与う』などで知られる河合榮治郎は、千住一丁目の酒屋「徳島屋」(現在地はトポス)に生まれた。
 「安藤昌益と千住宿の関係を調べる会」(相川謹之助会長)は発足2周年を記念して、「地元や千住を訪れる多くの人に、この街の文化的遺産を再認識して欲しい」との想いを込めて、3人の縁の地に案内板を設置。5月7日に除幕式を行った。全国から集った会員約40人が参加。鮒与では内田丈司社長も立ち会い、序幕と共にクラッカーが鳴らされた。トポス前は商店街のポールに説明文を設置。榮治郎の姪で、この場所にあった河合家で生まれた南貞子さん(83)が、現在住む目黒区から駆けつけた。榮治郎の身内はほとんど他界しているそうで、「こんな素晴らしいものを作っていただきうれしく思います」と感慨深げに話した。


安藤昌益の「自然真営道」についての
案内板の前で