足立朝日

羅針盤 VOL.42

掲載:2014年10月5日号
 日曜日の夜放送されていたシリーズもののNHKスペシャル「老後破産の現実」を見ていて、涙がとめどなく溢れてきた。
 少ない年金(特に自営業者が加入する国民年金の少なさがひどい)の中で身動きがとれずに身悶えする高齢者たち。夫と一人息子に死なれ身寄りがなくなり、車イスで外出したくても、その介護を頼むお金がない。
 これは、決して一部の誇張した例ではない。働くことが出来なくなった高齢者や障がい者が、必要最低限の生活を送れる社会が当たり前なのに……。こうした現実を突きつけられているというのに、それでもなお「自己責任」を声高に叫ぶ人々がいると思うと、情けなくてまた涙が止まらない。(編集長)