「お互い様」で支え合う仕組みを
炊事、洗濯、掃除、子どもの送り迎え、犬の散歩――日常生活で時には誰かにやってもらえたら、と思う作業は多い。体の自由がきかなければ尚更だが、制約のある介護保険では使えない。
そんな「暮らしの困りごと」を、「ほがらかネットワーク」は1時間800円の安価で請け負う。約50人の会員(実働は約40人)が条件の合う依頼を引き受け、料金の内600円を報酬に、200円を会の運営費に当てる。得意分野を生かしたり空き時間を有効に使いたい人と依頼人をマッチングする、いわば有償ボランティアのシステムだ。依頼は年々増え、法人化2年目の昨年度は3600時間になる。
区が平成18年度から3年間実施した「団塊世代の地域回帰推進事業」で学んだ有志と「地域に貢献したい」と、09年に発足。活動はサポートだけでなく、依頼人と専門家や行政窓口との橋渡し、会員同士の交流もある。個々の点が線で繋がり面となって地域に広がっていく、支え合う仕組みが目標だ。
「もっと実情にあった対応が必要。お年寄りは交流を求めている。お互い様で支えあいたいよね。逆に、手助けしたいと思っていても一歩踏み出せない人もいる。そのきっかけになれば」。互助の必要性は、区の「あだち皆援隊講座」でもアドバイザーとして説いている。
自らの活動の方向性に影響を与えたのは、江戸時代の医師で思想家、安藤昌益という。あの時代に封建制度を批判し、男女平等、平和主義、自然の大切さを唱えた人物だ。その昌益ゆかりの千住への思いも深く、連句や俳句もたしなむ。
意外にも、現役時代は漫画雑誌の編集者で、数多くの新人たちと二人三脚で作品を世に送り出していた。ついには担当した漫画が手塚治新人賞を受賞し、貫いた自らの漫画論の手応えを得た。
会社への恩返しとして、集大成「少年画報大全」を丸2年かけて制作し、定年半年前に退職。「定年と言う制度に選ばれるのが嫌だった」から。傍から見たらへそ曲がりだが、自分の筋は通す。
「漫画で妄想を食って生きてきたので、地域にも夢を広げていくのは性かも。どんな職業でも、突き詰めていけば社会と繋がっていると思うんだよね」。照れ隠しのようにうそぶく。一本芯の通ったオヤジは、頼もしいことこの上ない。
〈メモ〉ほがらかネットワークTEL080・1255・8424
炊事、洗濯、掃除、子どもの送り迎え、犬の散歩――日常生活で時には誰かにやってもらえたら、と思う作業は多い。体の自由がきかなければ尚更だが、制約のある介護保険では使えない。

区が平成18年度から3年間実施した「団塊世代の地域回帰推進事業」で学んだ有志と「地域に貢献したい」と、09年に発足。活動はサポートだけでなく、依頼人と専門家や行政窓口との橋渡し、会員同士の交流もある。個々の点が線で繋がり面となって地域に広がっていく、支え合う仕組みが目標だ。
「もっと実情にあった対応が必要。お年寄りは交流を求めている。お互い様で支えあいたいよね。逆に、手助けしたいと思っていても一歩踏み出せない人もいる。そのきっかけになれば」。互助の必要性は、区の「あだち皆援隊講座」でもアドバイザーとして説いている。
自らの活動の方向性に影響を与えたのは、江戸時代の医師で思想家、安藤昌益という。あの時代に封建制度を批判し、男女平等、平和主義、自然の大切さを唱えた人物だ。その昌益ゆかりの千住への思いも深く、連句や俳句もたしなむ。
意外にも、現役時代は漫画雑誌の編集者で、数多くの新人たちと二人三脚で作品を世に送り出していた。ついには担当した漫画が手塚治新人賞を受賞し、貫いた自らの漫画論の手応えを得た。
会社への恩返しとして、集大成「少年画報大全」を丸2年かけて制作し、定年半年前に退職。「定年と言う制度に選ばれるのが嫌だった」から。傍から見たらへそ曲がりだが、自分の筋は通す。
「漫画で妄想を食って生きてきたので、地域にも夢を広げていくのは性かも。どんな職業でも、突き詰めていけば社会と繋がっていると思うんだよね」。照れ隠しのようにうそぶく。一本芯の通ったオヤジは、頼もしいことこの上ない。
〈メモ〉ほがらかネットワークTEL080・1255・8424