足立朝日

銀河鉄道の夜 2万人が観劇

掲載:2006年7月5日号
◆◇銀河鉄道の夜
2万人が観劇 わらび座ミュージカル

 5月20日から約1カ月間、シアター1010で上演されたわらび座ミュージカル「銀河鉄道の夜」が、6月18日にファイナル・ステージを迎えた。フジテレビジョン、シアター1010、わらび座の3社による主催、ニッポン放送、足立区、岩手県による共催、足立朝日新聞はじめ区内14団体が後援したこの作品は、宮沢賢治の原作をシアター1010館長の市川森一が台本化。個人の私情を交えず、今まで世の中で演じられたどの作品よりも、最も賢治の世界に近い。同芸術監督・朝倉摂の舞台美術も、賢治の詩情を的確に表現。劇団員が一針一針縫いつけた星々1万2000個が劇場にまたたく様は、観客を夢の世界へと誘った。
 中村哮夫の演出、甲斐正人の音楽、鎌田真由美の振付、沢田祐二の照明など、超一流スタッフの総力が結集したこの作品を、区内小・中学校8500人の児童・生徒が観劇。足立学園の中学・高校生を含めると、観劇数は合計1万人。さらに、一般を加えると、合計37ステージ・約2万人を動員したことになる。ここに至るまでには、区教委、シアター1010、区・都・国各議員、各団体、個人などの絶大なる協力があった。わらび座俳優たちも、若手営業部隊とともに足立区内に散り、チケットを手売り。1枚のチケットの重さを噛み締めながら、地を這うような営業を展開した。それに併せて、地域でのワークショップを精力的に行い、子どもたちの表現能力を引き出した。現在、区教委とわらび座は、来年度の学校観劇の演目を選定中。来年もまた、足立区の財産であるシアター1010で、子どもたちの夢が育まれる。


最も賢治の世界に近い
「銀河鉄道の夜」