足立朝日

◆◇第一回　カウンセリングとは
　今、全国で不登校や引きこもりの人たちが、約１６０万人います。そのほか夫婦関係で悩んでいる人、介護で疲れ果てておられるひと、会社や近所での人間関係でストレスを貯め込んでいる人たち等が大勢おられます。このような心の悩みを回復するためのサポートをするのが「カウンセリング」なのです。今回は「カウンセリング」の実際を、カウンセラーの立場から説明したいと思います。
　 ①私たちカウンセラーは、心の悩みを抱えた人たち（クライアント）が相談に来られたら、まず気持を楽にして気分を良くしてもらいます。ほとんどの人は背中を丸くして自信なさそうに、いかにも自分の気持は苦しみでいっぱいだと言わんばっかりです。顔色や着ているものの良さを誉めてあげると、クライアントの気分はとても良くなります。
　 ②次に心の悩みの経過や内容を話したいだけ、感動を持って聴きます。心の苦しみはこのように聴いてもらうだけで、かなり良くなります。クライアントの能力や過去の努力の素晴らしさを、しっかり伝えるのです。　③そして、これからどうしたいのか・何が欲しいのか・カウンセラーにどうして欲しいのかを言ってもらいます。この「願望」がはっきりしないとカウンセリングはうまくいきません。たんに現状だけを改めても駄目なのです。例えば、父親から強制されて勉強する子供は適当にやりますが、自分の願望からやるとなれば、とことん勉強するものです。
「心の悩みの回復……カウンセラーに相談を！」
　 ④更に、今やっている行動は、「願望」を実現するのに効果があるかどうかを自分で評価してもらいます。
　 ⑤カウンセリングの基本的説明。言葉の力・心と身体の仕組み・価値観の変化・ストレスとリカバリー・才能の考え方等を、易しく分かりやすく説明します。このことを理解してもらえばカウンセリングの何たるかが、凡そ分かっていただけると思います。
　 ⑥カウンセリングシートとプランの作成と実行。私たちのグループでは自分たちで開発した「カウンセリングシート」を使います。クライアントの願望や才能を、約３カ月かけて確認してゆくと、はっきり自分のものとして理解出来てきて、続いて願望を実現するためのプランを作ります。そこまでくれば、もう実行あるのみです。このように、聴くこと(傾聴）だけで終わらずにプランまで進めるのが私たちのカウンセリングです。次回からは、基本的説明の内容や具体的ケースをご報告して行きたいと思っています。　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　カウンセリングルーム世田谷　宮澤恭人