
千住一丁目の千寿小学校跡地に、東京藝術大学(宮田亮平学長)千住キャンパスが9月に開学する。「足立区リエゾン(連携)センター」として芸術、文化と区民を結ぶ機能も持つ。

旧千寿小の体育館もルーバーで一新した
調印式
開学に先立ち、足立区と東京藝大との相互協力に関する協定が結ばれ、8月30日区庁舎ホールで、調印式と記念ピアノ演奏会が行われた。
調印式には足立区から鈴木恒年区長、しのはら守宏区議会議長、内藤博道教育長ら6人、藝大からは宮田亮平学長、渡邊健二副学長、太田和良幸副学長、川井学音楽学部長、西岡龍彦同学部音楽環境創造科教授ら7人が出席。ほぼ満席の約500人の来場者に見守られ、鈴木区長と宮田学長が調印、協定書を交わした。
宮田学長は「ものを作る、表現する喜びを区民の皆様と一緒に分かち合っていきたい。どこにもない素晴らしい芸術文化の発信の町にしていきましょう」と喜びを語った。
続いての記念ピアノ演奏会では、日本を代表するリスト演奏家として活躍する渡邊副学長が、ショパンの「夜想曲」リストの「愛の夢」など4曲を披露。繊細で澄んだ音色が、聴衆をたっぷりと魅了した。
千住キャンパス
千住キャンパスには音楽学部音楽環境創造科、平成18年4月に新設された大学院音楽文化学専攻が入り、日本で唯一、生演奏を録音できるスタジオもある。
足立区では同大や文化芸術関連施設と連携を図って、芸術、文化を創造、発信するまちづくりを進めていく。区と連携して行われる今年度の事業は、コンサート、小・中学校などの音楽指導、福祉施設での音楽活動・音楽療法、シンポジウムなどの学問研究が検討されている。
開学に関する問合せ℡3880・5730区文化課文化振興課。

宮田学長(右)と鈴木区長
千寿小の面影残しリニューアル
設計・管理は㈱日総建
東京藝術大学の千住キャンパスは、旧千寿小学校の体育館など、既存の建物にルーバーを被せてリニューアルしたり、新規に建て増したりして構成されている。
設計・管理は㈱日総建(渋谷区幡ヶ谷)。同社では、長年地域に親しまれ、愛されてきた千寿小の面影と、新しい文化、芸術を発信する同大との新旧の融合をコンセプトにデザインを決めた。思い出を残しつつ、新しいベールをつけた旧千寿小は、装い新たに東京藝術大学に生まれ変わった。(地上5階建て、講義室、研究室、ダンス演劇スタジオ、音楽演習室など)