足立朝日

高校演劇サマーフェスティバル

掲載:2006年9月5日号
◆◇高校演劇サマーフェスティバル
選抜8校が伸び伸びと演技

 「第12回高校演劇サマーフェスティバルinシアター1010」が8月12日と13日に開催。高校生たちの若さ弾ける珠玉の作品がシアター1010で上演された。
 同フェスティバルは、茨城、神奈川、群馬、埼玉、静岡、千葉、東京、栃木、長野、新潟、山梨の1000校に及ぶ演劇部加盟校から選抜された代表校による「演劇の祭典」。主催は関東高等学校演劇協議会とシアター1010。同劇場の市川森一館長が開館以来温めてきた夢のひとつが実現した。
 初日は、群馬県立沼田高校の「馬鹿でもわかるラブソング」、八千代松蔭高校の「虹の向こうに見つけた黄色いレンガの道」、茨城県立水海道第一高校の「リングの中の王子さま」、都立江北高校の「白鳥」。2日目は、筑波大学付属坂戸高校の「彼女はなぜ化粧をしたのか。」、神奈川県立新羽高校の「教言V・ゆ(う)と(う)りの教育論」、栃木県立栃木高校の「アジアの片隅で」、京華学園の「新・ちょっと高校生」。どの作品も「一生懸命に演じる姿」が清々しく、生徒たちは楽しみながら伸び伸びと演じた。
 地元・足立区の都立江北高校の作品は、大野敬二コーチの創作で、真っ直ぐな目線で障害のある人々をみつめた秀作。障害者センターの夏祭りで劇と踊りを披露することになり、演劇部の高校生が指導者に。お互いが初めての経験の中で苦悩しながら理解し合い、夢を求めて「目標を達成する喜び」に目覚めていく。
 演劇部部長の河野茉莉さんによると、この作品を上演するにあたり、部員たちは竹の塚ひまわり園にボランティアとして関わった。障害を抱える人々は特別な存在ではなく、自分たちと全く同じ生活者であることを理解して、気兼ねなく楽しい触れ合いをしたそうだ。そこで学んだ経験が、舞台で花開き、観客に大きな感動を与えた。
 同協議会副委員長の市村益宏教諭(拓殖大学第一高等学校)は、「大会を勝ち抜いてきた学校が参加しているけれど、優劣に関係なく上演することを目的にしているフェスティバル。舞台の広さも楽屋も理想的な1010で演じることを夢見て、生徒たちは頑張ってきた」と成果を喜んだ。


観客に大きな感動を与えた
江北高校演劇部