バレンタインデーが近づくこの時期は、1年で最もチョコレートの存在感が増す季節。コンビニでも手軽に買えるものから高級なものまで、様々だ。おやつとして親しまれているチョコレートを、半世紀前から作り続けている会社が足立区にある。

足立区は昭和30年代には菓子製造業者が100社を超えるなど、戦後、菓子の産地として栄え、今でも多くの菓子が作られている。
足立1丁目に本社を置く寺沢製菓㈱も、その一つ。創業は昭和28年で、町名がまだ千住高砂町だった頃。「甘いものは何でも売れていた時代」と、2代目社長の寺澤光弘さん(52)。父・昌彦さんが作る菓子で育った3男坊だ。創業当時は、チャイナマーブル(糖蜜を何層にも重ねた飴)や、お目出糖(米と小豆の菓子)などを製造。今ではあまり見かけなくなった懐かしい菓子の名が、次々に登場する。
40年代初めには、ココナッツクリームをサンドした「ココナッツウエハース」がヒットした。その後、「これからはチョコの時代」と、チャイナマーブルの回転釜を活用して、チョココーティングにシフト。ついつい止まらなくなる麦チョコや、ボトル型で大人っぽいウイスキーボンボンなどを製造してきた。
◆チョコ生地から製造
チョコレートを生地から造っているため、自在に配合を変えられるのが強みだ。定番の麦チョコにアレンジを加え、きなこや抹茶風味のもの、ハイカカオ70%のほろにがいものなど、様々なバリエーションを展開。柿の種チョコなんてものも。
また、大豆食品製造会社と共同開発した「大豆テンペチョコ」は、都の地域特産品認定食品に選定。大豆の発酵食品・テンペとの組み合わせが健康志向のチョコ菓子として、リピーターが多い。
「チョコは組み合わせで、無限に広がっていく。おいしさを追求して、いろいろなお菓子を作っていけたら」。一方で昭和50年代から続く定番のひと口チョコは、コンビニのプライベートブランドなどで、今も広く愛されている。「ひと口チョコでも味は違う。その中でも、寺沢のがおいしい、と思ってもらえたら」という、自慢の一品でもある。
チョコの魅力は「人間の体温で溶けてくれること。お年寄りでも、口に入れておくだけでなくなるし、ハート型とか、いろいろな形に変えられる」。もちろん寺澤さん自身も、「チョコ、大好きですよ」と力強い。「自分たちがおいしいと思えるもの、自分たちで買って帰りたいと思えるものを作らないと、本物じゃない」
現在、工場は茨城県取手で、本社では製造していないが、「原点に返って、ここで手作りに近い工房をスタートできたら面白い。手作りは一番の基本」と、アイデアは膨らむ。
◆簡単な手作りチョコ
バレンタインに気持ちを伝えるなら、やはり手作りが一番。「失敗してもいいので、作って」と寺澤さん。実は生チョコは簡単なのだとか。同量のチョコ+生クリームを器に入れてレンジで5分程度温めて、ブランデーやラム酒などリキュールを好みで加え、余熱を抜いてからカップに流し込むだけ。アラザンなどで飾ってもよし。チョコは刻む必要はないので、1口チョコをそのまま使ってもOKだそうだ。
◆本社直売会=2月7日(日)午前9時~午後3時
流通していない手作り系のチョコをメインに、おトクな価格で販売。
(直売会は毎月第3日曜。2、3月のみ第1日曜)
【寺沢製菓】足立1‐27‐11(五反野駅徒歩7分)、TEL3887・2111
※お得な割チョコは二木の菓子などで販売中。アマゾンやロハコなどネットでも買える。
写真上から①/2代目社長の寺澤光弘さん
②/健康を意識した「大豆テンペチョコ」
③/取手にある工場
④/歴史が感じられる昭和の広告


足立1丁目に本社を置く寺沢製菓㈱も、その一つ。創業は昭和28年で、町名がまだ千住高砂町だった頃。「甘いものは何でも売れていた時代」と、2代目社長の寺澤光弘さん(52)。父・昌彦さんが作る菓子で育った3男坊だ。創業当時は、チャイナマーブル(糖蜜を何層にも重ねた飴)や、お目出糖(米と小豆の菓子)などを製造。今ではあまり見かけなくなった懐かしい菓子の名が、次々に登場する。
40年代初めには、ココナッツクリームをサンドした「ココナッツウエハース」がヒットした。その後、「これからはチョコの時代」と、チャイナマーブルの回転釜を活用して、チョココーティングにシフト。ついつい止まらなくなる麦チョコや、ボトル型で大人っぽいウイスキーボンボンなどを製造してきた。

チョコレートを生地から造っているため、自在に配合を変えられるのが強みだ。定番の麦チョコにアレンジを加え、きなこや抹茶風味のもの、ハイカカオ70%のほろにがいものなど、様々なバリエーションを展開。柿の種チョコなんてものも。
また、大豆食品製造会社と共同開発した「大豆テンペチョコ」は、都の地域特産品認定食品に選定。大豆の発酵食品・テンペとの組み合わせが健康志向のチョコ菓子として、リピーターが多い。
「チョコは組み合わせで、無限に広がっていく。おいしさを追求して、いろいろなお菓子を作っていけたら」。一方で昭和50年代から続く定番のひと口チョコは、コンビニのプライベートブランドなどで、今も広く愛されている。「ひと口チョコでも味は違う。その中でも、寺沢のがおいしい、と思ってもらえたら」という、自慢の一品でもある。

現在、工場は茨城県取手で、本社では製造していないが、「原点に返って、ここで手作りに近い工房をスタートできたら面白い。手作りは一番の基本」と、アイデアは膨らむ。
◆簡単な手作りチョコ
バレンタインに気持ちを伝えるなら、やはり手作りが一番。「失敗してもいいので、作って」と寺澤さん。実は生チョコは簡単なのだとか。同量のチョコ+生クリームを器に入れてレンジで5分程度温めて、ブランデーやラム酒などリキュールを好みで加え、余熱を抜いてからカップに流し込むだけ。アラザンなどで飾ってもよし。チョコは刻む必要はないので、1口チョコをそのまま使ってもOKだそうだ。

流通していない手作り系のチョコをメインに、おトクな価格で販売。
(直売会は毎月第3日曜。2、3月のみ第1日曜)
【寺沢製菓】足立1‐27‐11(五反野駅徒歩7分)、TEL3887・2111
※お得な割チョコは二木の菓子などで販売中。アマゾンやロハコなどネットでも買える。
写真上から①/2代目社長の寺澤光弘さん
②/健康を意識した「大豆テンペチョコ」
③/取手にある工場
④/歴史が感じられる昭和の広告