「57年間のご愛顧ありがとうございました」――挨拶文の掲げられたザ・プライス千住店の店先を埋め尽くした200人を超える人々。4月10日(日)午後8時過ぎ、最後の客を送り出し深々とお辞儀をする店員たちに、大きな拍手が贈られた。
今は世界16カ国で100社を擁するグループ企業に成長したイトーヨーカドーは57年前の1946(昭和21)年、この場所で1号店の前身「羊華堂」として産声を上げた。2009年にザ・プライスに店名を変え、半世紀以上、地域の人々の生活の基盤として愛されてきたが、建物の老朽化による建て直しのため、この日をもって閉店となった。
閉店当日の昼、店長の大久重光さん(59)は、千住店を他にはない特別な店だったと振り返った。「地域のお客さんとの関わりが深い地域のお店。売れ方も含めて地元の方で繁盛してきた」。地元・千住3丁目の寄り合いや行事に参加するのも、他店にはない伝統だったそうだ。昨年1月に赴任した当初は大久さんも及び腰だったが、「お祭りに参加させてもらったり、いい経験をさせてもらった」という。
今は本当に欲しいものだけを選んで買う時代。「千住ならではの品揃えを、新店では取り入れた形になると思いますね。今以上にいい店だと思うので、ぜひ利用して欲しい」と話した。
夜8時40分、店内に「57年間の営業もあと20分となりました」というアナウンスが流れる中、閉店セールで棚にはほとんど商品が残っていないにも関わらず、名残惜しむように入店する客は途切れなかった。入口の外に掲示された創業当時の写真や閉店挨拶を写真に収める人や、列を作り客を送り出す従業員に労いの声をかける人の姿もあった。仲間4人で最後の別れに訪れていた50~70代の元従業員は、「実家が閉まってしまうみたいで淋しい」と話していた。
8時5分、最後の客を送り出し、大勢の人々に見守られる中、シャッターとともに57年の建物は幕を下ろした。
解体工事は5月9日(月)~来年2月末まで。3年後の19年に、地上13階、地下1階の新たな商業施設がオープンする予定。
写真上/多くの人がシャッターが閉まるまで見届けて別れを惜しんだ
下/閉店の挨拶をする大久店長
今は世界16カ国で100社を擁するグループ企業に成長したイトーヨーカドーは57年前の1946(昭和21)年、この場所で1号店の前身「羊華堂」として産声を上げた。2009年にザ・プライスに店名を変え、半世紀以上、地域の人々の生活の基盤として愛されてきたが、建物の老朽化による建て直しのため、この日をもって閉店となった。閉店当日の昼、店長の大久重光さん(59)は、千住店を他にはない特別な店だったと振り返った。「地域のお客さんとの関わりが深い地域のお店。売れ方も含めて地元の方で繁盛してきた」。地元・千住3丁目の寄り合いや行事に参加するのも、他店にはない伝統だったそうだ。昨年1月に赴任した当初は大久さんも及び腰だったが、「お祭りに参加させてもらったり、いい経験をさせてもらった」という。
今は本当に欲しいものだけを選んで買う時代。「千住ならではの品揃えを、新店では取り入れた形になると思いますね。今以上にいい店だと思うので、ぜひ利用して欲しい」と話した。夜8時40分、店内に「57年間の営業もあと20分となりました」というアナウンスが流れる中、閉店セールで棚にはほとんど商品が残っていないにも関わらず、名残惜しむように入店する客は途切れなかった。入口の外に掲示された創業当時の写真や閉店挨拶を写真に収める人や、列を作り客を送り出す従業員に労いの声をかける人の姿もあった。仲間4人で最後の別れに訪れていた50~70代の元従業員は、「実家が閉まってしまうみたいで淋しい」と話していた。
8時5分、最後の客を送り出し、大勢の人々に見守られる中、シャッターとともに57年の建物は幕を下ろした。
解体工事は5月9日(月)~来年2月末まで。3年後の19年に、地上13階、地下1階の新たな商業施設がオープンする予定。
写真上/多くの人がシャッターが閉まるまで見届けて別れを惜しんだ
下/閉店の挨拶をする大久店長











